北斗星(5月20日付)

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 天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸(あまのいわと)に閉じこもって世の中が真っ暗になった時、やおよろずの神々は浮かれ騒ぐ。不思議に思った大神が少し岩戸を開いたところを、力持ちの神が大きく開け放った。古事記にある有名な神話だ

▼神々はこの前に長鳴鳥(ながなきどり)を鳴かせて岩戸を開かせようとしたが、うまくいかなかった。長鳴鳥は夜明けに時を告げる鶏のこと。古くから日本で飼育されてきたことがうかがえる。今風に言えば地鶏か

▼本県を代表する味覚の一つ、比内地鶏の生産者が苦境にある。首都圏などの外食産業向け出荷が多かったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛で需要が落ち込んだ

▼そこでセブン-イレブン・ジャパンが東北6県の店舗で比内地鶏を使った商品の販売を始めた。県の補助事業を利用し、高級食材としては割安感のある価格設定。第1弾の「親子丼」を食してみた。歯応えのある肉、ぷりぷりした皮。なるほど地鶏ならではの食感とうま味がある。比内地鶏の新たな需要の掘り起こしに期待しよう

▼需要の低迷に苦しむのは比内地鶏だけではない。業種を問わず新型コロナの荒波が押し寄せている。苦しくても下を向かず支え合いたい

▼全国民に配られる10万円の給付金について国会議員の多くは受給を辞退する意向。一方、全国の首長らは地元で消費することで景気浮揚に貢献するとしている。一人一人が上手に使えば効果は大きい。元気をなくしがちな世の中に日の光をもたらすきっかけにしてほしい。

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