時代を語る・小川健吉(1)地域に何かお返しを

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ヒツジとヤギの世話が日課=今年3月
ヒツジとヤギの世話が日課=今年3月

 県内有数の売り上げを誇る農産物直売所を核に、地域ににぎわいを生み出している道の駅十文字。その運営会社を率いる小川健吉さん(71)に半生を語ってもらいます。

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 平成19(2007)年、横手市十文字町の国道13号沿いに、道の駅十文字がオープンしました。農産物直売所や交流ホール、飲食店、コンビニエンスストアなどが一つ屋根の下に入っています。中でも直売所は品質と種類の多さが自慢。レジを通るお客さんは年間およそ60万人に上ります。

 指定管理者として道の駅を運営しているのが「十文字リーディングカンパニー」という会社で、俺はそこの社長。当初は「駅長」の肩書もあり陣頭指揮を執っていましたが、若い世代を育てたくて3年前に交代しました。今の駅長は35歳の樋渡直さん。俺はなるべく表に出ず、彼に任せています。

 でも、じっとしているのが苦手な性格で、毎朝5時前には出社します。まずヤギ4頭とヒツジ1頭に餌をあげます。春から秋にかけて、道の駅の裏で放し飼いにしているんです。次は朝礼の時にスタッフが飲むお茶の用意。茶わんも洗います。

 裏方にはなりましたが、こうして道の駅に携わっていられるのは幸せなことです。その半面、俺のような者が社長をしていることが不思議でなりません。振り返れば、たくさんの人が支えてくれたからこそ、今があるのだと思います。

 高校を卒業してから農家を継ぎました。37歳の時に妻を亡くし、幼い子ども2人を男手一つで育てました。妻の死がきっかけで、旧十文字町の町議会議員に。議員を12年、その後町長を5年務めました。そして道の駅を引き受けたわけです。いろいろありましたが、助けてくれた地域の人たちに何かお返しをしたいと思い続けてきました。

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