北斗星(5月27日付)

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 春の陽気に誘われて、飼い犬と郊外の雑木林を散歩したことがある。腰までのササやぶを歩き回るうち、犬の目の周りに黒いものがいくつも付いていることに気付いた。初めて見たマダニだった

▼その後、一人でやぶをこいでいる時に刺されたことがある。腫れてかゆくなったぐらいで、それ以上の体の異常はなかった。だが軽く見るのは間違いで、しばらく体調の変化に注意した方がいいらしい

▼北海道では昨春、山菜採りで山に入った男性が帰宅後に、39度の高熱と両足の激痛で歩行困難になった。マダニに刺された痕があって未知のウイルスが見付かった。後にエゾウイルスと名付けられた

▼ダニによる感染症といえば、本県ではつつが虫病をまず思い浮かべる。マダニも同様に生命に関わる病原体を媒介することがあるようだ。北海道ではエゾウイルスとは別の感染症も確認されている。北海道はマダニの生息環境としては厳しいはずだ。同じ積雪寒冷地に住む者として人ごとではない

▼県内は本格的な山菜採りのシーズンを迎えた。旬の味覚を求めて、やぶをものともせず入山する人たちを見掛ける。本県のマダニは大丈夫という保証はない。刺されたら念のために医療機関を受診したい

▼厚生労働省は啓発ポスターで注意を呼び掛けている。「山ありダニあり」のキャッチコピーが面白い。山ではダニが待ち受けていることを忘れずに、素肌を露出しない服装をするなど自己防衛策を心掛けた方がよさそうだ。

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