社説:国の2次補正案 総力挙げ雇用、生活守れ

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 政府は一般会計歳出総額31兆9千億円の2020年度第2次補正予算案を閣議決定した。新型コロナウイルスの緊急事態宣言が全面解除されたとはいえ、経済への影響がさらに深刻化する恐れがある。追加経済対策により、企業の倒産を防ぎ、雇用と生活を守るため総力を挙げなくてはならない。

 歳出総額は第1次補正予算の25兆6千億円を上回り、補正予算として過去最大となる。民間投資を含めた事業規模は117兆1千億円。企業の資金繰り支援や雇用調整助成金拡充、家賃支援給付金などが主な内容。政府、与党は6月8日の国会提出、同12日までの成立を目指す。

 中小企業を中心に新型コロナ関連倒産が増え続けている。東京商工リサーチによると今月25日までに全国で計176件。業種別では宿泊業、飲食業、アパレル関連が目立つ。体力があるとはいえ大手企業の経営も幅広い業種で厳しさを増している。

 業績が悪化している企業に対する資金繰り支援は11兆円余。民間金融機関融資を含め、1次補正と合わせた支援額は140兆円規模。コロナ禍を乗り切るため有効に生かしたい。

 雇用調整助成金は従来の日額上限8330円を1万5千円に引き上げる。休業や営業時間短縮で家賃負担に苦しむ飲食店などへの支援として、売り上げが急減した中小企業に最大600万円の家賃支援を行う。

 1次補正で1兆円だった地方自治体への臨時交付金は2兆円を増額。自治体の休業要請に応じた事業者に支払う協力金の財源への活用も認める。協力金を負担した自治体は本県を含め少なくない。迅速な交付実現を図ってもらいたい。

 低所得のひとり親家庭には一時金5万円を給付する。第2子以降は3万円を加算。子育て世帯支援として必要であり、対象を拡大したい。

 2次補正案の財源は国債発行による借金で、当初予算、1次補正を合わせた20年度全体では歳出の半分以上を借金で賄うことになる。新たな予備費10兆円をはじめ、無駄遣いのないように厳しく精査すべきだ。

 1次補正に盛られた全国民に一律10万円を支給する特別定額給付金、中小事業者への無担保融資や雇用調整助成金は手続きや支給の遅れが目立っている。申請手続きが煩雑過ぎるのではないか。

 必要な人の元に届くのが遅れては給付金や助成金の趣旨が生かされない。これまでの反省を踏まえ、2次補正案の助成や支援は手続きの簡略化と支給の迅速化を図ることが肝要だ。

 コロナ収束後に、人々の消費行動が元通りになるのかどうかは見通せない。いますべきなのは暮らしを守ることを第一に、雇用や企業活動の継続に全力を傾注することに尽きる。中長期にわたる対策も視野に入れながら、経済の回復を強力に後押ししなくてはならない。