北斗星(6月23日付)

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 まるで風を切るように一直線に滑空したり、そうかと思えば急旋回をしたり。餌になる虫を追っているのだろうか。秋田市の住宅街で人家の周辺を自在に飛び回るツバメを時折目にする

▼春に東南アジアなどからやって来て、秋には帰る渡り鳥。玄関先や車庫の軒先など人目に付く場所によく巣を作る。毎年心待ちにしている人も少なくないようだ

▼秋田市の大塚俊一さん(70)が本紙「声の十字路」欄に「今年もツバメが来た」と題して投稿していた。大塚さん宅でツバメが初めて営巣したのは5年前。今年もツバメとの「同居」が始まり、ひな誕生への期待をつづった

▼ツバメが来た頃は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け全国に緊急事態宣言が出ていた。自身が取り組むボランティア活動や家族でのお花見なども自粛せざるを得なかった。そんな非日常の中だからこそ、例年通りツバメが来たことに安堵(あんど)した。日々のささやかな喜びがいかに大切だったか身に染みた

▼巣の中では今、ひな5羽が育っている。「親が餌を運んで来るのを口を開けて待っている。かわいらしい」と大塚さん。元気に巣立つまでそっと見守り続ける

▼コロナ感染防止対策である県境をまたぐ移動の自粛要請は、最後まで残った5都道県への移動自粛も含め、やっと解除された。一日も早くツバメのように自由に飛び回れる環境になってほしいが、首都圏などで連日、新規感染者が確認されている。感染防止策はまだまだ徹底しなくては。