秋田臨海鉄道、来年3月で事業終了 貨物落ち込み収入減

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 秋田港周辺で貨物専用列車を運行する県の第三セクター「秋田臨海鉄道」(秋田市土崎港西、志水仁社長)は23日、取り扱い貨物の減少による収入減のため来年3月に事業を終え、会社を解散すると発表した。小回りが利くトラック輸送が主流となり、新たな荷主を見つけるのが困難としている。社員16人はJR貨物グループが再雇用する方針を示しているという。

 秋田臨海鉄道は1970年4月、県や旧国鉄、秋田港周辺の企業が出資して設立した。秋田港駅を起点に、向浜駅までの5・4キロを結ぶ「南線」と、秋田北港駅までの2・5キロを結ぶ「北線」の2路線を持つ。輸送量は72年度の67万トンをピークに落ち込み、北線は2008年から利用されなくなり、15年に休止した。昨年度は7・5万トンまで落ち込んだ。

 秋田臨海鉄道に自前の線路を接続する大口の荷主は一時13社を数えたが、現在は南線を利用する日本製紙秋田工場(秋田市向浜)だけ。同工場の貨物列車の利用は製品の一部に限られ、来年3月以降はトラック輸送に切り替えるという。これにより秋田臨海鉄道は取り扱い貨物がなくなる。

 同社は事業終了を決めた経緯を「極めて厳しい状態で事業継続の見通しが立たない」と説明。同社や県によると、これまでに人員削減や業務効率化を図ったが、車社会の進展に伴う利用減が響いた。ディーゼル機関車の老朽化も理由に挙げている。

 秋田港駅はクルーズ船寄港時に運行する臨時列車「クルーズ列車」の発着駅にもなっているが、JR秋田支社がJR貨物の奥羽線貨物支線で運行しているため、影響はないという。また、北線の利用を盛り込んだ「秋田港シーアンドレール構想」もトラックの活用で影響はないという。

 県によると、北線と南線の敷地は大半が県が無償で貸与している。秋田臨海鉄道は事業終了に伴い南北2路線(計7・9キロ)の設備を撤去する方針。

 秋田臨海鉄道の資本金は5億円。出資割合はJR貨物が38%、県が36%、その他7団体の合計が26%。2019年度決算見込みでは経常利益2059万円、当期純利益1555万円、利益剰余金1億5604万円、純資産6億58774万円。