遠い風近い風[小玉節郎]ドキュメンタリーの悲しみ

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 子供の頃からドキュメンタリー番組をよく見てきた。「動植物の記録や、宇宙や深海の目を見張るような光景、あるいは旅の記録」に夢中になってきた。自然科学分野の本もたくさん読み、知識を増やすことで番組をより深く理解できるようにも心掛けてきた。

 いつか行けたらあの場所へ、と思いはしても「南米ギアナのテーブルマウンテン」には行けそうにもないし、1万メートルの海溝に潜る潜水艇に乗る機会は私には訪れないようだ。コスタリカの森林で「昆虫の驚異的な生態」を直接見る機会もなさそうな気がする。何も外国の例を並べるまでもなく国内でも、根釧原野の四季だの屋久島の1年などというそこに繰り返し出掛けて折々の様子を観察し、専門家にガイドしてもらわないと素人の私には詳しく把握することができない風景もある。

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