時代を語る・伊藤次男(9)かなわなかった全国V

お気に入りに登録
※写真クリックで拡大表示します
本荘高の卒業間際、同級生と(前列中央)=昭和35年2月
本荘高の卒業間際、同級生と(前列中央)=昭和35年2月

 実は父の市之助が本荘高を訪ねてきたことがありました。2年生になって程なく、担任に会い、端艇(たんてい)部(ボート部)の退部を私に促すようお願いしていったというのです。1年生の後半に入部後、盆と正月以外は休みなしと練習が忙しく、成績が下がったのを心配したようです。

 しばらくして担任から「お父さんが来たよ。だから勉強も頑張って」と告げられました。父は学校を訪ねたことなど、おくびにも出しません。でも沈黙の分、父の思いが胸の奥底に染み入るように感じられました。親心の深さを強く意識したともいえるかもしれません。

(全文 778 文字 / 残り 524 文字)

この連載企画の記事一覧