ミュシャ展(1)夢想 シャンプノア

お気に入りに登録
夢想 シャンプノア(1897年、カラーリトグラフ、72・7×55・2センチ、OGATAコレクション)
夢想 シャンプノア(1897年、カラーリトグラフ、72・7×55・2センチ、OGATAコレクション)

 19世紀末のヨーロッパで起こった芸術様式「アール・ヌーヴォー(新しい芸術)」を代表する作家アルフォンス・ミュシャ(1860~1939年)の特別展「ミュシャ展―アール・ヌーヴォーの華―」が11日、横手市の県立近代美術館で開幕する。一躍脚光を浴びるきっかけとなった演劇のポスター「ジスモンダ」をはじめ、装飾パネル、商品デザインなど約450点を展示。開幕を前に、展示作品の一部を紹介する。

 ◇  ◇

 「夢想 シャンプノア」は、女性の頭上に「F.CHAMPENOIS」とある通り、印刷工房シャンプノア社が社名を入れ、商業ポスターとして使用したバージョンである。本ポスターはすぐに人気を集め、後に文字を外し「夢想」と改題した装飾パネルが販売され、好評を博した。

 ミュシャ作品で最も好まれ、装飾パネルのベストセラーとなった作品である。女性は流れるような植物文様に包み込まれ、その胸元にはビザンティン様式のアクセサリーがきらめく。まさに「これぞミュシャ・スタイル」といえる作品である。

 全体の構図をみると、幾何学的に置かれた花々が大きな円をなしていることが分かる。その円と、右下に流れ落ちるように配置された女性の足元や左手との組み合わせが、さながらアルファベットの「Q」のフォルムを形成していることに気付かされる。この構図は「Q型方式」と呼ばれ、後のデザイン界に大きな影響を与えることとなった。

ミュシャ展の詳細はこちらから

この連載企画の記事一覧