ミュシャ展(2)黄昏/黄昏(習作)

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黄昏(1899年、カラーリトグラフ45・0×87・5センチ、OGATAコレクション)
黄昏(1899年、カラーリトグラフ45・0×87・5センチ、OGATAコレクション)

 一日の余韻を静かに味わっているような、たそがれ時の一場面が描かれている。

 ミュシャの作品は立ち姿や座り姿の女性が多く、ほとんどが縦の構図であるため、「黄昏」のような横の構図はあまり見られない。さらに希少なのが、その下絵「黄昏(習作)」だ。比べると雰囲気は随分違う。習作の段階では描かれていないベールが「黄昏」にはあり、そのベールのもつしわの流れや影が、女性の足腰の複雑な動きを見事に暗示している。これも習作で捉えた足腰のデッサンによる成果であろう。

 また「黄昏」の女性の表情は、習作のそれよりも随分と穏やかに見える。目元の違い、首の傾きのわずかな差、首筋の線の有無といった部分が効果を生み出しているのだろう。

 習作は東北初公開となる。直筆1点ものという希少な本作から、ミュシャのセンスと生々しい筆致をぜひ間近でお楽しみいただきたい。

連載企画:ミュシャ展-アール・ヌーヴォーの華-

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