ミュシャ展(5)黄道十二宮

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黄道十二宮(1896年、カラー・リトグラフ、66・5×48・2センチ、OZAWAコレクション)
黄道十二宮(1896年、カラー・リトグラフ、66・5×48・2センチ、OZAWAコレクション)

 女性の横顔を、十二星座のシンボルマークと図案が取り囲んでいる。黄道とは、天球上における太陽の見掛け上の通り道。地球から見て、太陽が地球を中心に運行するように見える大円を12等分し、各領域にそれぞれ星座を当てはめたものが「黄道十二宮」である。

 当初、このデザインは印刷会社シャンプノア社のカレンダー用に制作された。非常に人気が高かったために下段枠内の暦を変え、芸術出版社ラ・プリュム誌のカレンダーに流用されたのが本作である。

 上部に描かれた月桂(げっけい)樹の葉は「不変」、左下のヒマワリと太陽は「昼」、右下のケシと三日月は「夜」の象徴とされる。女性の頭部や胸元はビザンティン風の装飾で彩られ、神秘的、かつ豪奢(ごうしゃ)なムードを醸し出している。

 民衆にも手の届く芸術を目指したミュシャ。そのデザインは、カレンダーという実用品の頒布という形でも広まり、人々に愛された。

 〈終わり〉

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