北斗星(7月12日付)

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 やはりクマはトウガラシの臭いが嫌いだったか。県立大木材高度加工研究所と横手市の木材加工・販売会社がトウガラシを染み込ませた栓を打ち込んだ「くい」を開発、クマよけの効果があったという

▼県内の登山口や登山道の分岐点には木製の案内標柱が設置されている。傷だらけで、見るも無残な姿になっていることが多い。表面に塗ったニスなど揮発性物質の臭いをクマが好んでかじったり、ひっかいたりしていると山岳会の人から聞いた

▼逆に嫌いな臭いとして以前からトウガラシが知られ、それを主成分とするクマよけスプレーが市販されている。今回、トウガラシの有効性が改めて確認されたことになる

▼開発されたくいは今後、試験を重ねて柵や案内看板用の柱などとして販売するという。効果が楽しみだ。人とクマとの不幸な出合いが少しでも減るよう期待している

▼今年初の「クマ出没注意報」が先日、県内全域に発令された。例年よりも各地で目撃情報が増えているためだ。今年に入り既に3件の人身被害が起こっているというから、厳重に警戒しなければ

▼ここ数年の被害を背景に県が今春策定した「県野生鳥獣管理共生ビジョン」はクマを人の生活圏から遠ざけ、すみ分けを目指す。そのためには里山の荒廃など解決の難しい課題も多く、対策は簡単なことではないだろう。多様な取り組みが必要になるが、トウガラシ製品は身近なところに共存に向けたヒントが潜んでいることを教えてくれた。