ローカルメディア列島リレー(11)猪狩僚

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 全国のローカルメディアの作り手が、ローカルならではのメディアの形や取り組みについて綴るリレーエッセイです。紙もウェブも、看板やアートプロジェクトだって「ローカルメディア」に?! 特色あるローカルメディアの担い手たちのアイデアと奮闘の記録です。

真面目にフマジメ

「たとえ、人生の99%が不幸だとしても、最後の1%が幸せならば、その人の人生は幸せなものに変わる」

 マザーテレサの言葉です。この国では、人生の最期をどこで過ごしたいですかという質問に対し、約8割の人が「自宅」と答えていますが、実際に自宅で最期を迎えている方は1割ほどです。もしかすると、マザーテレサの言葉の逆のことが起きているのかもしれない、地域包括ケア推進課というよく分からない部署に異動になった私は、いろんなところに顔を出しているうちに、こんなことを思うようになりました。

 一方、いろんなところで出会ういわきの(愛を込めて、あえて)じじいやばばあ達は、93歳のヨガの先生、震災の津波で家も和菓子屋も失ったのに一年で再建してしまう88歳のじじい、一人暮らし90代のパイセン達30人に温かいご飯を提供している70代ばばあ軍団、夜な夜なレイブパーティを開いている山奥集会所のじじばば達などハチャメチャな感じ。

 大変なことだけど、人生で一番大事な「最期」のこと。「何だこいつら」と思わず心の中で叫んでしまうぐらい、元気で、たくましく、日々を楽しんでいる人生のパイセン達。誰にでもいつか来ることはみんな分かってるのに、どうしても目を背けがちな「老いや死」のことをテーマに、しかも、一番やらなそうな役所が発信していくことに大きな意味があるんじゃないかと思い、「igoku(いごく)」(いわきの訛りで“動く”)を立ち上げました。

 テーマがテーマだけに、クリエイティブやエンターテイメントの力を借りて、かつ、「真面目にフマジメ」のスタンスで、今日も取材と称して、お茶飲みに行っています。

猪狩 僚|igoku 編集長
いわき市役所 保健福祉部 地域包括ケア推進課 平社員。1978年、いわき市生まれ。大学卒業後に、ブラジル留学したら、ちょっとハチャメチャな感じになっちゃって、いわき市役所に拾ってもらう。水道局(2年でクビ)→市街地整備(1年でクビ)→公園緑地課→財政課→行政経営課を経て、現職。逆立ちしても、役所の中じゃ出世できないので、勝手に“igoku”を作り、勝手に「編集長」を名乗る。

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