乗り鉄日和 矢島で朝ラー、薬師堂で煮卵 夏の由利鉄編(上)【動画】

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この日初めて乗り込んだYR-3003。今年は由利鉄で普段使われている3両すべてに七夕飾りが施された
この日初めて乗り込んだYR-3003。今年は由利鉄で普段使われている3両すべてに七夕飾りが施された

 由利高原鉄道(由利鉄)全線が1日乗り降り自由な「楽楽遊遊乗車券」を提示すると、由利本荘、にかほ両市内の21カ所で、商品や料金の割引などの優待サービスを受けることができる。由利鉄沿線以外の店も少なくないが、サービスは乗車日の1カ月後まで受けられる。何とかして多くの人に由利鉄を利用してほしいという切なる願いが読み取れる。しかも、秋田県と由利本荘市の新型コロナ対策に伴う補助を受け、通常(土、日、祝日)は大人1100円のところを半額の550円で購入できる。羽後本荘~矢島間の片道料金は610円。こんなに安くていいのだろうかと逆に心配になるぐらいだ。なお、7月からは平日用の楽楽遊遊乗車券(大人850円)も新たに登場した(優待サービスを受けられる店は土、日、祝日用とは一部異差異がある)。

 この優待サービスを、由利鉄を乗りながら、どこまで受けることができるか試してみたくなった。7月5日、由利鉄に乗る旅に出掛けた。
(取材・鎌田一也)

 午前5時。筆者は自宅から徒歩15分の県第2庁舎の前にいた。乗り鉄の際、とりわけ「青春18きっぷ」の旅の際、筆者がこの時間に県庁の前を歩いていることは珍しくない。乗り鉄を存分に楽しむには、できれば始発列車に乗りたい。動きだしの速さが、その後の動きにも影響してくるからだ。今回は由利鉄沿線で食事を取る回数が増えそうなので、1食目はなるべく朝早いうちにしたかった。幸い、矢島駅のすぐそばに「朝ラー」が食べられる店があるという。まずは5時36分秋田発の普通列車(酒田行き)で羽後本荘駅に向かい、由利鉄の同駅からの始発列車となる6時55分発矢島行きに乗ることにした。

 だからと言って何も秋田駅まで歩かなくてもいいだろ、と突っ込まれるかもしれない(自宅から秋田駅までは徒歩45分)。ただ、最近、日曜日の早朝にタクシーを捕まえるのはかなり難しい。電話がつながらないことも多く、かかったところで断られることも珍しくない。もちろん、マイカーで移動し秋田駅前の駐車場に止めるという手もある。しかしマイカーで移動となるとアルコール摂取は御法度だ。今日は、どうしてもそれを回避したかった。幸い筆者は、人の少ない朝の街を歩くのは大好き。さほど苦にはならない。

 2カ月ぶりに降り立った羽後本荘駅は、橋上駅舎化の工事がさらに進んでいた。クレーン車がお目見えし、巨大な部材が置かれているのも目につく。ホームによっては列車の乗車口が階段から遠く離されているところも。こうした変遷を追い掛けるのも面白そうだ。

 由利鉄沿線の店をたどるだけであれば、いつ乗車しても問題はない。今回、乗車日をこの日にしたのは、7月7日で終わってしまう「たなばた列車」に乗っておきたかったからだ。

 通常、由利鉄でこうしたイベント列車は、全席ロングシートで、座席の前に長テーブルを装着できるYR-2002が使用される。ただ、現在は故障中(今年秋にも運転再開予定)なため、普段運行されているYR3000形の3両を使うしかないが、3両のうちのいずれかを、毎日同じ時刻(1日1往復だけ、「まごころ列車」と称してアテンダントが乗車する)に固定して使用することは困難だという。そのため、3両すべてに同じように七夕飾りがほどこされることになった。

 例年であれば、由利本荘市とにかほ市の幼稚園児や保育園児に願い事を短冊に書いてもらい、列車や駅舎に飾っている。今年は、新型コロナの影響で、短冊を書いてもらうことは取りやめ、車内には由利鉄社員手作りの飾りが取り付けられた。一方、期間中はどの時間に乗っても必ず七夕飾りが見られることになった。ちょっと得をした気分だ。

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