時代を語る・鷲澤幸治(9)船乗りを辞めて帰郷

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海運会社を辞めて、帰郷した昭和48年ごろ
海運会社を辞めて、帰郷した昭和48年ごろ

 毎日、刑務所暮らしをしているみたいだ。これは人間の生活じゃない―。長い航海生活をそう感じるようになり、船乗りの仕事を続ける自信がなくなった俺は、海運会社を辞めて秋田に戻ることにした。昭和48(1973)年、26歳の時だ。「もう秋田には帰らないぞ」と勇ましく東京で就職したものの、早々と見切りをつけたわけだな。

 もちろん、船員時代に世話になってその後も付き合いが続いた同僚もいるし、自分にとって貴重な経験だったと思う。特に入社後の半年間、船酔いを我慢し克服したことは、40歳からのダリア園での踏ん張りにつながっている。船酔いで吐けば癖になるから吐かないように飲み込む。なかなか大変だった。

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