乗り鉄日和~間もなく田んぼアートなので徐行します 夏の内陸線編(上)【動画】

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角館~羽後太田駅間に描かれた田んぼアート。NHKのバラエティー番組のキャラクター、チコちゃんとキョエちゃん=7月23日午前9時53分ごろ
角館~羽後太田駅間に描かれた田んぼアート。NHKのバラエティー番組のキャラクター、チコちゃんとキョエちゃん=7月23日午前9時53分ごろ

 秋田内陸縦貫鉄道(内陸線)の中で、筆者のお気に入りが三つある。春編でも紹介した十二段トンネルの「地中の星」、大又川橋梁(きょうりょう)からの絶景(これについては、中でもとりわけ魅力的になる紅葉の時季に改めて紹介したい)、そしてもう一つが「急行列車の徐行」である。乗客を急いで運ぶことを第一としながらも、大又川橋梁などの絶景ポイントではしっかり景色を楽しんでもらいたいという「おもてなしの心」こそが、内陸線の最大の魅力だと思えるからだ。

 内陸線で急行列車の徐行を満喫するなら、やはり夏に限る。大又川橋梁に加え、見頃を迎えている沿線5カ所の田んぼアートの前でも徐行運転してくれる。7月23日、内陸線で田んぼアートを楽しむ旅に出た。

 6月下旬、JR秋田支社から、秋田県内で乗り鉄を楽しみたいという人にうれしいニュースが発表された。JRだけでなく、内陸線や由利高原鉄道(由利鉄)を含む県内の大半の鉄道路線が1日乗り降り自由な「あきたホリデーパス」を発売するという。利用期間は7月23日~9月27日の土日祝日と、8月8日~16日。しかも、「青春18きっぷ」とは違い、特急や秋田新幹線にも特急料金を支払えば乗れてしまうという、とても便利なものだ。これは内陸線の旅、とりわけ、秋田→角館→鷹巣・鷹ノ巣→秋田と大きな輪を描くような旅をしたい時にとても助かる。料金も大人2440円と相当お得だ。

 何より、秋田新幹線が使えるのであれば、極端な早起きも不要になる。筆者は午前7時20分に秋田市の自宅を出て、7時半ごろに最寄りのバス停から路線バスに乗り、7時50分には秋田駅で切符を買い終えていた。8時11分のこまち14号で8時55分に角館駅到着。内陸線で最初に乗車する列車は9時50分発。多少新幹線が遅れても問題ない余裕の旅程が組めた。

 秋田→角館間程度ならわざわざ座席を指定するまでもない。「特定特急券」という、座席が空いていれば座ってもいい(その代わり、その席を指定している人がいたら直ちに空けなければならない)チケットを購入する。実際問題として、そうやって空席に座ったときに、よけなきゃならなかったことなど、筆者の乗り鉄歴の中では1度しかない(その時は指定席が完売していた)。今回も角館まで問題なく座り続けることができた。

 角館駅に到着してみると、想像していたよりはるかに乗客が多い。楽しく列車に乗らせてもらってはいるが、一応これでも仕事だ。「田んぼアートの写真や動画が撮れませんでした、ごめんなさい」では済まされまい。念のため、改札が始まる20分前から改札口の前で待ち構え、いの一番で列車に乗り込み、田んぼアートを撮影しやすい進行方向左側の窓際の座席を確保した。

 新型コロナ感染防止のため、改札口では内陸線職員が乗客一人一人の検温を行っていた。内陸線では7月中旬から、JRと接続する角館駅と鷹巣駅で窓口の営業時間内(角館駅午前9時~午後4時50分、鷹巣駅午前7時20分~午後6時、土日祝日は午後4時40分まで)で必要に応じて行っているという。