社説:快進撃のBB秋田 J2昇格へ優勝目指せ

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 サッカーJ3のブラウブリッツ秋田(BB秋田)の快進撃が続いている。8試合を終え、J3記録の開幕8連勝。勝ち点24で2位に5点差をつけ、18チームの首位を走っている。きょう9日は秋田市のソユースタジアムで2位の熊本と対戦する。序盤のヤマ場となる試合だ。

 2017年にJ3で初優勝した時はJ2クラブライセンスを持っていなかったため、昇格できなかった。翌年、J2ライセンスを取得。2位以内に入ればJ2に上がれる環境は整ったが、2年連続で8位に終わった。

 今年の好調の要因は選手の持ち味を生かした「堅守速攻」の戦い方にある。今季就任した吉田謙監督が目指す基本戦術を全員で遂行。8試合16得点はJ3最多で失点1は最も少ない。従来の粘り強い守備に磨きがかかり、縦に速い攻撃ができるチームに生まれ変わった。

 3年前も開幕から15試合負けなし(11勝4分け)と首位を走ったが、後半は他チームのマークが厳しくなった。3位で臨んだ最終戦に勝ち、苦しんだ末の逆転優勝だった。今年も開幕ダッシュに成功したが、この後も同じような戦いができるとは限らない。新型コロナウイルスの影響で開幕は3カ月半以上ずれ込み、過密な日程でのリーグ戦が続く。選手は体調管理に努め、けがに注意してほしい。

 BB秋田の本拠地となる新スタジアムの整備構想を巡っては市営八橋運動公園、秋田プライウッド本社、秋田大学の3候補地を県と秋田市が断念。今後の候補地選定については秋田市が主導する。穂積志市長は外旭川地区の市卸売市場跡地内が候補地になり得るとの認識を示しているが、具体的な進展はない。

 整備費は約100億円と試算されている。自治体の財政は厳しさを増しており、整備を望む声の一方で不要論も出ている。6月県議会で佐竹敬久知事は「今の状況では我慢すべきではないか。将来的な整備は否定しないが、今の八橋(ソユースタジアム)でもできる」と述べた。新型コロナの収束が見通せず、経済が打撃を受けている現状で、議論を進めるのは難しいことは否定できない。

 だがチームの頑張りでJ2昇格が現実味を帯びてくれば、さらに関心を示す人も増えてくるはずだ。市全体のまちづくりを考慮し、専用スタジアムにショッピングモールなどを併設する複合型施設にすることができれば、地域の活性化にもつながるだろう。しかし財源確保の問題や、県人口が減少し続け少子高齢化が進む中、スタジアムをどう運営していくかという難しい課題を避けては通れない。多様な観点から必要性を議論しなければならない。

 リーグ最終戦は12月20日。チームは最後まで優勝を争い、サッカーの面白さを存分に伝えてほしい。スタジアム整備の議論を前進させるためには何よりも勝利が不可欠だ。

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