時代を語る・鷲澤幸治(20)3万人来園、フル回転
会員向け記事
お気に入りに登録
平成7(1995)年に生み出した中大輪のダリア「黒蝶(こくちょう)」は9年に切り花が東京の花卉(かき)市場に出荷され、小売店で1本1300円の高値が付いた。大抵は300~700円といったところだから俺も驚いた。見た目の美しさに加え、ダリアの弱点の日持ちも比較的良くて受けたんだな。
市場関係者に聞いたところ、障子、ふすまの和室には黒蝶のような黒っぽい花は合わないけれど、洋間の白い壁にはくっきり浮かび上がる。洋風の空間にマッチするということで評判を呼んだらしい。東京では結婚式の会場にも飾られるようになったし、ギフトとしての需要も出てきた。それまでダリアは仏壇に供えられるだけの地味な存在だったから、黒蝶はがらっとダリアのイメージを変えたんだ。
※この記事は「会員向け記事」です。電子版への登録が必要です。
(全文 765 文字 / 残り 442 文字)
(全文 765 文字 / 残り 442 文字)