社説:立民、国民の合流 政権目指し存在感示せ

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 立憲民主党と国民民主党が合流し、新党を結成することが決まった。無所属議員も参加する動きを見せており、新党は140人超の規模となる見込みだ。9月中の結成を目指す。

 自民、公明の政権与党が圧倒的な数を誇り「1強多弱」と言われる中、安倍政権の「おごり」が指摘される場面は多い。野党勢力の結集が政権側に緊張感をもたらし、国会論戦を活発化させることが期待される。

 立民と国民両党の合流協議は昨年末、立民側からの働き掛けでスタートした。しかし立民が国民を吸収合併する提案だったため頓挫。立民は今年7月になって、両党が解散した上で新党を結成する対等合併を再提案し、協議が続けられてきた。

 野党第1党の立民が譲歩してまで国民との合流を急ぐのは、年内にも次期衆院選があるとの見方が出ているためだ。野党票が分散して、与党を利するのを避ける狙いがある。

 国民の玉木雄一郎代表は新党名を投票で決定することなどを主張。投票は代表選と同時に行われることになった。新党代表は現在の立民代表の枝野幸男氏、党名は再び「立憲民主」となる公算が大きい。所属議員が100人を超える野党第1党が誕生すれば、2017年10月に旧民進党が分裂して以来となる。

 民進党分裂の結果生まれたのが立民、国民の両党だ。立民が示した新党の綱領案には「原発ゼロ社会の実現」が含まれ、国民側には抵抗を示す議員がいる。こうした政治姿勢の違いを、新党結成までにいかにして解消していくかが課題だ。

 新党には自公に代わる政権づくりに向けた構想を示すことが求められる。基本的な政策や理念を巡りしっかり一致点を見いだし、安倍政権との対立軸を明示することが必要だ。党内の足並みが乱れていては、有権者の信頼は得られないことを肝に銘じなくてはならない。

 合流決定の直前になって、玉木氏本人が新党に参加しないことを表明した。国民側は新型コロナウイルス対策として時限的な消費税減税を訴えている。これに対し立民が慎重であることなどから、玉木氏は基本的政策について一致が得られなかったと説明した。党代表として合流協議を進め、大多数の賛成で合流が決まったにもかかわらず、今になって別行動を取るとは理解に苦しむ。玉木氏には、より丁寧な説明を求めたい。

 玉木氏は一部の国民議員と共に、約50億円ある党資金を新党との間で円満に配分するため、政党助成法に基づく「分党」を行う意向だ。新党結成のぎりぎりまで粘り強く政策協議を続け、分党回避の道を探るべきだ。

 新型コロナの感染再拡大が続き、市民生活や経済活動にかつてない大きな影を落としている。新党は安倍政権への監視機能を強め、政権を担える政党として存在感を発揮することが求められる。

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