北斗星(9月2日付)

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 昨年亡くなった元衆院議員の村岡兼造さんは本県出身で内閣官房長官を務めた1人。豪腕でさばくタイプではなく、意見を調整し、交渉力でまとめ上げるタイプだった

▼「国会には全国から一癖も二癖もある人たちが集まってくる。自民党には派閥もあり、常に反対意見や主張が渦巻いている。官房長官は調整力が大切なんですよ」。村岡さんをよく知る政治家から聞いたことがある

▼本県出身で過去に官房長官に就いたのは、他にも根本龍太郎さんと石田博英さんがいる。歴代の官房長官を見渡すと、後に首相の座を射止めた例が少なくないが、これまでの本県出身者は内閣の参謀、政権の調整役にとどまってきた

▼次期首相となる自民党の総裁選びで今、本県出身者が有力視されている。71歳の菅義偉官房長官だ。旧雄勝町の農家に生まれ高校卒業後に上京。働きながら大学に通った。横浜市に地盤を築き、同市議を経て国政へ進出した。きのう、総裁選に出馬表明した2人の国会議員と比べると「無派閥、非世襲」という点が特徴だろう

▼過去の総裁選では所属派閥の方針に反し、意中の人を擁立。野党による内閣不信任決議案に賛成する動きに加わったこともある。本紙掲載の政治学者・姜尚中さんとの対談では自身を「負け続けた人間」と評していた

▼政治を変えなければと行動してきた菅さんは今や政権中枢の実力者。安倍政権の光と影を背負ってきた立場でもある。どんな「日本の顔」を目指すのだろうか。

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