北斗星(9月4日付)

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 朝晩はめっきり秋めいてきたとはいえ、残暑が続いている。「秋暑し」はこの時期の季語。近所の山野では、気の早い「秋の七草」が姿を現し始めている

▼ハギ、ススキ、ナデシコ、クズ、オミナエシ、キキョウ、フジバカマの七つを指す。県内でも普通に目にする。まとめておかゆに入れて食べる春の七草ほど親しみがないようだ。秋の草花が咲き乱れる野原を「花野」とも言う

▼赤紫色のやや派手な花を咲かせるクズは、根から取ったでんぷんがくず粉の原料になるなど日本人には古くからなじみが深い。至る所につるを伸ばすさまは生命力の強さを感じさせる

▼米国では19世紀に日本から導入。飼料作物などとして利用され、野生化した。今では旺盛な繁殖力で生態系を乱し問題になっている。国際自然保護連合が選んだ「世界の侵略的外来種ワースト100」に名を連ねる

▼人間が持ち込んだ外来種が生態系を破壊し、動植物を絶滅に追い込むことがある。小笠原諸島固有の国天然記念物のチョウ「オガサワラシジミ」は全長15ミリほどで、青い羽が特徴だ。外来種のトカゲに食べられ激減し、野生では2018年以降、確認されていない。都内で人工繁殖が続けられていたが先月下旬、全て死んだという

▼日本産のチョウとしては初の絶滅となる可能性が高い。本県の希少種はどうか。昆虫の絶滅危惧種だけで122に上る。危機的状況に大きな変化がない中、人知れず絶滅してしまった種がないか心配している。

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