北斗星(9月5日付)

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 秋田市郊外の田んぼでは日に日に黄金色の輝きが増してきた。青さが残っている稲穂も見えるが、多くはしなやかにこうべを垂れている。県南、県北ではわせ品種の稲刈りが始まった。本県の主力あきたこまちは例年、9月中旬に収穫期を迎える。実りの秋だ

▼こちらの方はどうだろう。コシヒカリをしのぐ良食味を目指して県が開発した新品種「秋系821」。2022年度に市場デビューする。県農業試験場によると、晩生種のため9月下旬の収穫となる。場内で試験栽培しており、生育は順調だという

▼試験栽培は農家向けの栽培マニュアルを年内に策定するために実施。10年超に及ぶ品種開発の総仕上げだ。担当者は「市場でも高い評価を得られるように農家を支えたい」と語る

▼県の生産団体募集には19団体が申請。いずれも新品種作付けのため、JAなどと農家が新たに立ち上げた。100人以上の団体もあり、農家の強い意欲を見る思いがする。新品種の名称は25万件を超す応募の中から、5件程度の候補に絞られた。近く公表される予定だ。最終的には11月に名称が発表される

▼子どもの成長に例えるなら、新品種は間もなく親元を離れ、実社会に出て行くところだ。期待通りの実力を示すには品質の確保が欠かせない。試験場から農家へと、栽培のノウハウを確実につなぎたい

▼来年には県のマニュアルを活用して一部農家が先行栽培する。荒波が待ち受ける市場での成功に向け、これからが正念場だ。

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