社説:合流新党代表選 「新しさ」どう打ち出す

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 立憲民主、国民民主両党などが結成する合流新党の代表選が告示され、国民の泉健太政調会長(46)と立民の枝野幸男代表(56)が立候補を届け出た。同時に党名を決める投票も行う。約150人が参加する野党第1党の「顔」と名前が決まる重要な代表選となる。

 安倍晋三首相の辞意表明とその後継選びに関心が集まってしまった感がある。きょう告示される自民党総裁選とも日程が重なり、合流新党の代表選はすっかり埋没してしまった格好だ。

 とはいえ、代表選は後継首相にどう対峙(たいじ)し、何を新党独自の政策として打ち出していくのかを伝える貴重な機会だ。泉、枝野両氏は共同記者会見を行って政策を訴えた。10日の投開票日まで短期間ではあるが、新党の将来像をしっかりアピールしてもらいたい。

 合流に参加する149人のうち88人は立民議員で新党内の最大勢力だ。国民の小沢一郎衆院議員や無所属の岡田克也元副総理ら有力者の支援も取り付けた枝野氏優勢は揺るがない。

 泉氏は「改革中道」や政策提案型の政治姿勢を主張。新型コロナウイルス収束までの消費税凍結や全国民へのワクチン無料接種を打ち出す。「民主党」の党名復活を提案している。

 枝野氏はコロナ禍で社会のひずみが露呈したとして「互いに支え合う社会」を提唱。消費税の時限減税などにより経済再生を図ると訴えた。党名は「立憲民主党」を掲げている。

 後継首相が総裁選の勢いに乗り、今秋にも衆院解散に踏み切るとの見方が浮上している。共同通信社が8月末に実施した全国緊急電話世論調査では、次期衆院選比例代表の投票先は自民党の48・0%に対し、立民は11・6%。国民の1・6%を足しても大きな開きだ。相当な危機感が必要な数字といえる。

 本県では合流新党結成に伴って、国民県連と立民県連が合流へ動きだしている。国民の緑川貴士氏(衆院比例東北)、無所属の寺田学氏(同)は新党に入党予定。昨年7月の参院選で自民党現職を破り初当選した寺田静氏(無所属)は当面参加しない考えだ。

 こうした地方組織、議員の動きに対して、新党に合流しない国民の玉木雄一郎代表らの動向が見えにくい。別の新党結成を目指すというが、類似した党名や選挙協力などで混乱が生じることがないか懸念される。

 合流する両党は2017年に旧民進党が分裂して誕生した。その源流ともいえる旧民主党も内紛の末、分裂している。代表候補が打ち出す新しい理念、政策はもとより、その結束力にも有権者が注視していることを忘れてはならない。

 将来的に政権を任せられる野党第1党が存在するのは望ましいことだ。合流新党の両代表候補は真摯(しんし)に政見を訴え、新たな政党をもり立てていく道筋を明確に示してもらいたい。

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