社説:新党代表に枝野氏 信頼獲得へ結束強めよ

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 立憲民主、国民民主両党などが合流して結成する新党の代表選が行われ、立民代表の枝野幸男氏(56)が選ばれた。党名は「立憲民主党」を継承することが決まった。枝野氏は政権交代を目指す決意を表明した。

 衆参国会議員合わせて149人のうち、衆院議員は106人。2009年の衆院解散時に旧民主党は112人だったが、総選挙で政権交代を実現させた。新党も政権交代を目指すからには結束を強め、有権者の信頼を獲得する努力が欠かせない。

 新党の出身構成は現在の立民88人、国民40人、無所属21人。代表選には枝野氏と国民政調会長の泉健太氏(46)が立候補した。枝野氏が107票を得て一騎打ちを制した。

 枝野氏は立民内最大勢力のリベラル系グループを率いる赤松広隆衆院副議長や菅直人元首相、国民の小沢一郎衆院議員、無所属の野田佳彦前首相ら重鎮の幅広い支持を得た。安定した党内基盤を確保し、強い指導力を発揮できる条件が整ったのではないか。

 安倍晋三首相の突然の退陣表明により、自民党の総裁選も行われている。優勢とみられる菅義偉官房長官がスローガンとして「自助・共助・公助」を掲げることを意識し、枝野氏は「政治の役割は公助だ」と強調。対決姿勢をあらわにしている。

 また、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ経済を再生させるため、一時的に消費税率を0%とすることを政府、与党に求める考えを表明。所得再分配の強化に向けた税体系の見直しも主張している。

 菅氏はアベノミクスの継承を訴えている。コロナ禍で企業経営や市民生活が脅かされる中、野党第1党としてアベノミクスを検証するのも務めだ。国会での活発な論戦を期待したい。

 枝野氏の従来の党運営にはトップダウンとの批判もある。代表選では中堅・若手が第3の候補擁立をぎりぎりまで模索。泉氏は「風通しのいい党運営」を訴えた。

 枝野氏は徹底的に議論した上で決まった方針には従ってもらうとして、党内のガバナンス強化を打ち出した。議員の言動がばらばらで足並みの乱れが目立った旧民主、旧民進党時代の反省に立った発言として理解できる面もある。結束を保ちながら、自由闊達(かったつ)な議論を妨げない党運営を目指すべきだ。

 新党は国民の全議員の合流には至らなかった。新党では合流に至るまでのさまざまな立場の違いを乗り越え、どんな事態にも一致団結して行動できるかどうかが問われている。

 衆院議員の任期は来年10月まで。今秋に衆院解散、総選挙が行われるとの見方も浮上している。枝野氏は党役員人事で体制を固め、衆院選の準備を急ぐ必要がある。将来の政権交代を実現できるかどうかの分かれ道という覚悟で、新党を船出させなければならない。

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