社説:9月県議会開会 コロナ対策、議論尽くせ

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 9月県議会が開会した。総額約248億円の一般会計補正予算案は、新型コロナウイルス感染拡大への対策が柱だ。必要な検査体制の整備や苦境に直面する県内企業の支援について、十分議論を尽くしてほしい。

 県内で初めてのクラスター(感染者集団)が8月に発生し、月別感染者数は過去最多の30人(再陽性除く)に上った。9月は1人にとどまっているものの、首都圏などでは依然感染が広がっている。県内でもクラスターの発生をはじめ、感染がいつ再燃してもおかしくはない。今から万全の備えを進めなければならない。

 補正予算案には新型コロナの感染の有無を調べる検査体制の強化策が盛り込まれた。予算額は約7千万円。PCR検査や抗原検査などの機器を導入する県内の民間医療機関に対し、費用の全額を助成する。現在は県内で最大1日200件となっている検査能力を、500件に引き上げる方針だ。

 冬場は例年インフルエンザが流行し、発熱を訴える人が増える。症状だけでは新型コロナとインフルエンザを見分けるのは容易ではない。検査体制を可能な限り強化しておくことは必要だ。

 県は今回の予算措置で今冬を乗り切りたい考えだ。ただし、クラスターが相次いで発生した場合などでも500件の検査能力があれば十分に対応できるかどうか、綿密な検討が欠かせない。県議会は県民の命と安全を最優先に、インフルエンザとの同時流行にも逼迫(ひっぱく)することのない検査、医療体制を構築できるかチェックする必要がある。

 経済対策では利用が低迷しているホテルなど宿泊施設を支援するため、6月に発行を始めたプレミアム宿泊券を追加発行する。予定していた40万枚はほぼ完売していることから、さらに15万枚を発行する。県民向けに5千円分の券を半額の2500円で販売する。

 冬はもともと観光客が減少する時期であり、新型コロナの影響で例年以上に需要が落ち込むことが予想される。そのために経営が成り立たなくなる宿泊施設が出てくるのを避けなければならない。

 宿泊券は実際に使ってもらわなければ宿泊施設の支援につながらない。県民が行ってみたくなるような魅力的な周遊プランづくりや、観光PRも合わせた事業を展開し、宿泊券の利用促進に力を注いでほしい。

 新型コロナの経済的打撃は広範囲に及んでいる。県内の土産物製造・卸業者39社でつくる県観光土産品製造・卸協議会は、土産品の購入者が県外へ送る際の費用補助の継続などについて、県に要望書を提出した。

 こうした各業界の声を真摯(しんし)に受け止め、機動的に支援策を打ち出すことが求められる。従来の支援策も改善すべき点があれば改善し、県内企業の実情に即した支援を実施するべきだ。

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