北斗星(9月12日付)

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 「パーティー」という語を複数の辞書で調べた。「社交的な集まり」といった意味が最初に出てくる。パーティーと言えば大方はこの集いを思い浮かべるに違いない

▼「一緒に登山する仲間」の意もある。このパーティーのリーダーを務めたことがある。最後まで安全に導くのが責務だ。地図で何度も現在地を確認。個々人の疲労度を確かめ、遭難しないよう神経を張り詰める。数人を率いるとはいえ結構大変だった

▼もう一つの意味が「政党」だ。中学校の教科書は「政治で実現したい理念や政策について同じ考えを持つ人々がつくる団体」と説明する。今更、説明不要かもしれない。だが、かつての日本人には意味がさっぱり分からなかった

▼「何の事やら少しも分(わか)らず」。政党というものに出合った当時を福沢諭吉が振り返っている。幕末に欧州へ派遣されて、その存在を知った。江戸時代、政治的意図を持ち徒党を組むことは厳禁だったという。それが英国では政権を争い堂々と議論している。福沢が驚いたのも無理はない

▼日本では今、政党を巡る動きが注目されている。国会議員149人を擁する新「立憲民主党」が誕生。3候補が争う自民党総裁選は14日に新リーダーが決まる

▼「国民のさまざまな意見を集約し国や地方自治体の政治に反映させる」。政党の役割を教科書が説明する。少数意見を含む多様な声に耳を澄まし、政治に生かすということだろうか。政党の意味に思いを巡らす政治の季節である。

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