社説:新立民結党大会 新政権との対立軸示せ

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 立憲民主、国民民主両党などが合流した新「立憲民主党」が結成大会を開いた。衆参両院議員合わせて150人。野党第1党としては2017年に分裂する前の旧民進党以来の規模となる。きょう首相に選出される菅義偉自民党総裁の政権との対立軸を示し、将来の政権交代をうかがう存在感を示してほしい。

 14日付で解散した立民の代表だった枝野幸男氏が引き続き代表に就任。党名も継承した。幹事長には立民幹事長の福山哲郎氏、政調会長には国民政調会長を務め、代表選を枝野氏と争った泉健太氏、代表代行兼選対委員長には国民幹事長だった平野博文氏を充てた。

 立民、国民のバランスを取り、党内融和に配慮した人事だ。党内からは、これまでと代わり映えがしないなどと不満の声もある。しかし人事で「サプライズ」を演出するよりも、地道な国会活動で菅政権に対峙(たいじ)し、有権者の信頼を勝ち得ていく努力が欠かせない。

 安倍政権下では、野党が分裂して「1強多弱」と言われる状況を許してしまった。その反省の上に結束を強め、今回合流に加わらなかった新「国民民主党」とも連携を保つべきだ。

 菅氏がまず「自助」を強調するのに対し、新立民は「公助」を前面に訴える。綱領では持続可能な社会保障や格差解消を目指すとした。

 「公文書管理と情報公開を徹底し、透明で公正な信頼される政府の実現」も綱領に盛り込んだ。森友・加計学園問題や桜を見る会などの疑惑解明に消極的な菅氏との違いをアピールした格好だ。菅首相指名後の臨時国会の早期召集を実現し国会論戦を繰り広げられるか、新党の力が早速試される。

 菅氏は安倍政権の継承を訴える。しかし具体的な政策は明らかとは言えない。

 アベノミクス下で続いた景気拡大は18年10月に終わり、景気後退局面に入った。昨年10月の消費増税は、そんな中で行われたことになる。今年に入ってからは新型コロナウイルスの影響が著しい。4~6月期の実質国内総生産は年率換算で戦後最悪のマイナス成長になった。

 こうした状況をアベノミクスの継承で乗り切れるのかどうか。それとも新たな経済政策が必要なのか。新型コロナの感染防止と社会経済活動の両立という困難で緊急性の高い課題を巡り、与野党による活発な論戦を期待する有権者は多いはずだ。

 安倍晋三首相の退陣表明以後、世論調査では内閣や自民の支持率が上昇した。支持率が高いうちに衆院解散、総選挙を期待する声が自民内部から出ている。立民側も早期の衆院選を想定した態勢固めが求められる。

 本県関係では緑川貴士氏(衆院比例東北)と寺田学氏(同)が新立民に参加した。しっかりした地方組織づくりを進め、従来とは違う野党の姿を示せるかが問われている。

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