北斗星(9月22日付)

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 ダリといえば20世紀の超現実主義を代表するスペインの画家。溶けかけのあめ細工のようにぐにゃりとなった時計を描いた作品などが有名だ。そんな独特の世界を追求したダリの版画展が4月中旬、秋田市の県立美術館で開かれ、たった1日で休止になった。そのまま終了となったのには驚かされた

▼多くの人に見てもらいたい展示だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けやむを得なかった。あれが新型コロナの第1波で、7月以降に第2波がやって来るとは当時は思いも寄らなかった

▼イベントの自粛要請は段階的に緩和されてきた。予定通り開催された他の美術展でも、スタッフが入場者の体温を測るなど感染防止策を講じている。コロナ禍は美術だけでなく音楽や演劇など、さまざまな芸術活動に影を落とす

▼秋田市立千秋美術館でコレクション展「自然美を謳(うた)う」が26日に始まる。館収蔵の秋田蘭画などを中心に紹介する。ポスターには、別の展覧会を予定していたが、新型コロナの影響で中止するとのお断りが記されている

▼当初は県外の作品を多数借り受けて展覧会を開く計画だった。担当者が県境を越えた移動を繰り返す必要があり、感染リスクを考慮して中止を決めた。そんな思わぬ障害を乗り越えての展覧会開催は歓迎したい

▼この4連休を機にコンサートや演劇などの入場制限がさらに緩和された。気が付けば芸術の秋。感染防止策はなお欠かせないが、多様な芸術に触れて心を解放したい。

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