北斗星(9月23日付)

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 弟がO次郎、妹がP子、父親がX蔵、母親がおZ―。アルファベットずくめの家族が登場する漫画が「オバケのQ太郎」だ。略してオバQ。昭和の時代、数々の人気漫画を手掛けたコンビ「藤子不二雄」の代表作である

▼今日はその一人だった藤子・F・不二雄さんの命日。亡くなって24年になる。死去2年後の1998年、増田町まんが美術館(現・横手市増田まんが美術館)では特別展が開かれた

▼最大のヒット作「ドラえもん」は、今年が雑誌連載開始から50年の節目。それより歴史が古いオバQは、今やドラえもんより知名度が劣る感がある。だがインスタントラーメンが大好きな「小池さん」などユニークなキャラクターも多い名作だ

▼記憶に残っているのは、訳ありの男から1千万円を使い切ってほしいと頼まれる話。Q太郎がおもちゃ屋、本屋などで手当たり次第に浪費するが、大福を50個食べて賞金をもらうなどしてかえって持ち金が増えてしまう。読んでいて単純にうらやましかった

▼弟ら他のオバケと違って人や動物への変身がほとんどできない。大食いで居候先の家計に負担を与える。欠点があり、困り者の主人公だからこそ、どんな頼み事でも断らずに奮闘する優しさが響くのだろう

▼今、漫画は鬼との壮絶な戦いに挑む「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」が人気。信念を貫く主人公の姿や躍動感が読者を魅了しているようだ。対してオバQには、昭和ならではの牧歌的な魅力がある。読書の秋、浸ってみるのもいい。

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