社説:入場者水増し問題 BB秋田、運営健全化を

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 サッカーJ3のブラウブリッツ秋田(BB秋田)が2014年開幕戦から19年開幕戦までの計85試合の入場者数を水増しして報告していたとして、Jリーグは罰金400万円の処分を科した。

 チームが開幕から快進撃を続け、首位を保っている中での不正発覚。観客の水増しはリーグ規約に反する行為である。ルールは守らなくてはならない。BB秋田の首脳陣は襟を正し、健全なクラブ運営に努めてもらいたい。

 BB秋田は入場者数を正確にカウントしていなかった。スタジアムの入場口で数えた人数の10%程度を加えていた。さらに入場者として算入してはいけない運営ボランティアやスタッフ、メディア関係者なども加算していたことには驚かされる。これらを合わせて公式入場者数としていた。

 Jリーグは発足当初から入場者数を正確に数えることにこだわってきた。地域密着を掲げ、入場者一人一人を大切にするという理念の表れである。リーグの思いに泥を塗り、ファン、スポンサーを裏切ったBB秋田の責任は重い。スポーツマンシップにもとる行為である。

 サッカー界では過去にも入場者数の水増しが問題となり、処分がなされてきた。10年には当時J1の大宮(現J2)で発覚。Jリーグは制裁金2千万円とけん責処分を科し、社長が引責辞任した。17年にはJ2長崎で判明し、制裁金300万円とけん責の処分となった。これらの不祥事をBB秋田が知らないはずはない。

 近年、スポーツ界でもガバナンス(統治)やコンプライアンス(法令順守)の重要性が叫ばれている。他クラブの不祥事を他山の石とし、透明性を図る機会はいくらでもあったはずだ。

 BB秋田は昨年、入場者の数え方が間違っていることに気付いたが、リーグに報告せずに放置したという。水増しは不正だと分かっていたはずなのに、なぜその時点で誤りを申告せず、そのまま続けてきたのか。この程度なら大丈夫だろうという甘えがあったのではないか。

 ただこの問題は選手には関係がない。新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れた鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、チームは12勝4分けの勝ち点40で堂々と首位に立っている。開幕9連勝と開幕16戦無敗はともにJ3新記録である。

 故障者が相次ぎ、チーム状態は苦しい。だがJ2昇格という目標を共有しているからこそ、選手は必死に支え合い、激しく走り回っている。残り18試合あるが、最後まで持ち味の「堅守速攻」で戦ってほしい。

 クラブ側も選手の頑張りに応えなくてはいけない。J2昇格を果たした先には専用スタジアムの整備、そしてJ1昇格という夢を描いているはずだ。選手とともにクラブも成長しなくてはならない。

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