北斗星(10月1日付)

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 新たな指導者が「この人は違うな」と周囲の目を向けさせるにはどうすればいいのか―。竹中平蔵慶応大学名誉教授は王道戦術としてアーリー・スモール・サクセス(初期段階での小さな成功実績)を挙げる。小さなことでもいち早く実績を残せば一時的であれ評価が高まり、マネジメントがしやすくなると著書「勝負論」で説く

▼竹中氏といえば小泉政権で閣僚を務め、構造改革を主導したことで知られる。総務相当時に副大臣として支えた菅義偉首相も、今は「知恵袋」として厚い信頼を寄せ、就任3日目に朝食を共にして意見を交わした

▼携帯電話料金の引き下げ、デジタル化の推進、不妊治療への保険適用…。菅政権が打ち出した矢継ぎ早の改革は、竹中氏の王道戦術を忠実に実行しようとする動きのように見える

▼菅氏は改革色を前面に出した組閣を狙い、竹中氏の入閣も一時検討したとされる。だが民間閣僚に否定的な自民党幹部らに阻まれ、諦めざるを得なかった

▼民間人起用へのこだわりが殊の外強かったのか。今度は側近の補佐官に同じ本県出身で共同通信社前論説副委員長の柿崎明二氏を充てる人事を決めた。気心の知れた元記者にどんな役回りを求めるのか気になる

▼ただし権力監視を担うメディアの出身者が権力側に回ることへの懸念は付きまとう。「お友達」との批判をかわすだけの実績を出せるかが問われるだろう。内閣支持率は高いが、竹中氏は忠告する。「世論はいとも簡単にブレます」

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