乗り鉄日和 かかしはいなくても、由利鉄全駅に降り続けた 秋の由利鉄編(下)

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YR-2002の車内。全席ロングシートで、全座席の前にテーブルを置くことができる=9月20日午後0時15分ごろ、前郷駅


 前郷駅から午後0時16分発矢島行きに乗り込む。乗客は少なくはなかったが、今回乗り込んだYR-2002という車両は、全席ロングシートということもあり、余裕で着席することができた。YR3000形のように4人掛けのボックスシートが主体の車両の場合、一つのボックスに一人ずつ座っている状態で埋まっていると、後から乗り込む客が座席につきにくくなる。ロングシートだけの通勤仕様の列車は味気ないが、YR-2002の場合、前にテーブルが付いている分、旅情を損なうことがないのもいい。

※秋の由利鉄編(上)はこちら!

西滝沢駅を出発するYR-2002。「エボルタ電池列車」ラッピングが施されている=午後0時23分ごろ


 YR-2002は2016年以降「エボルタ電池列車」ラッピングが施されている。「エボルタ電池列車」は、埼玉県川越市の川越工業高校の電気科電車班の生徒たちが製作、パナソニック製乾電池「エボルタ」を動力とした車両(単1電池600本使用)。2015年秋に前郷~矢島間の往復に成功、ギネス世界記録に認定された。由利鉄が最も輝いていた一日の思い出が詰まっている列車に乗れたことは光栄だ。もっとも、この日は後に何度もこのYR-2002に乗車することになるのだが。

西滝沢水辺プラザ=午後0時33分ごろ


 午後0時23分、西滝沢駅に到着。前回(夏の由利鉄編)に続き、駅から徒歩10分ほどの場所にある「西滝沢水辺プラザ」に足を運ぶ。前回は新型コロナの影響で食堂の営業時間が短縮されていたことに気付かず、お昼ご飯を食べ損ねてしまったが、今回は営業時間内に到着できた。ただ、事前に想像していたよりずっと混雑していた。食堂のおばさんから筆者が受け取った番号札は「44」で、着席直後に呼ばれたのは32番。30分近く待たされることになった。食事を取るスペースも広々としていて、ソーシャルディスタンスを保つのに何ら問題がなかったのは幸いだ。

和風ぶっかけラーメンと由利牛ミニカレー=午後1時10分ごろ


 人気の理由は聞かなくても想像が付く。由利牛カレーが400円(税込み、以下同様)、チャーシュー麺が500円など、地域のボランティアが運営しているからこそ実現できるお手頃な価格が受けているのだろう。筆者は「和風ぶっかけラーメン」(400円)と由利牛ミニカレー(150円)を注文。どちらも、素朴な「おふくろの味」だった。

サツマイモのレモン煮とミニパフェ=午後1時20分ごろ


 さらに、由利鉄の「楽楽遊遊乗車券」を提示すると食べることができるミニパフェ(購入するなら100円)と、前回そのおいしさに感激した「サツマイモのレモン煮」(100円)も堪能した。とにかく何を食べても安い。子吉川のすぐ近くにあり、水辺で遊ぶこともできるほか、河川敷には芝生の広場もある。家族連れで休日を過ごすには最適の場所だろう。

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