社説:オンライン教育 環境整備に全力挙げよ

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 県教育委員会と各市町村教委がオンライン教育の推進に向けて取り組みを進めている。小中学校、高校、特別支援学校の児童生徒に1人1台のタブレット端末を年度内に配備するほか、その十分な活用を目指して教員の研修にも力を入れる。

 今春以降、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて全国の学校で臨時休校が長期化。自宅で授業を受けられるオンライン教育の必要性が浮上していた。

 ただし、新型コロナ感染は依然として収束が見通せず、県内で再び休校措置が取られる可能性も払拭(ふっしょく)できない。できるだけ早期に実現すべきだ。オンライン教育で児童生徒の学びの機会を確実に確保できるよう、環境整備に全力を挙げなければならない。

 小中学校への1人1台の端末配備は文部科学省が昨年、情報通信技術(ICT)に関する環境整備の一環として、2023年度までの実現を掲げていた。しかし感染拡大を受けて本年度に前倒しし、自治体を支援する予算措置も示した。県内の各教委の対応はこうした動きを踏まえたものだ。

 オンライン授業にはタブレット端末だけでなく、児童生徒の自宅の通信環境整備も不可欠だ。しかし県教委によると、自宅にWi―Fi(ワイファイ)環境がない児童生徒が一定数いるのも事実だ。

 家庭環境の違いで学校教育に差が生じることがあってはならない。ワイファイ機器を貸与するなどの対策が当然求められる。県教委は今後、臨時休校の際は機器をレンタルし、必要な高校生らに貸与する考えだ。小中学校を運営する市町村教委も各家庭に目を配り、同様の対策を講じるべきだろう。

 教員の研修も重要だ。オンライン授業では、教員と児童生徒が双方向でやりとりできるビデオ会議アプリの利用が想定されている。対面授業を基本としてきた教育現場には戸惑いもあるかもしれないが、臨時休校となった場合に備え、教員一人一人が基本操作をしっかりと身に付け、スムーズな授業を心掛けることが求められる。

 1人1台の端末配備が実現した際は、平常時の授業でどう活用していくのかも課題となる。この点でも知恵を絞ってもらいたい。

 県教委は「第3期あきたの教育振興に関する基本計画」(20~24年度)などでICTを活用した教育推進を打ち出しており、各校は多様な活用に積極的に取り組みたい。例えば端末を利用することで、一人一人が海外の子どもとオンラインでつながって英語で会話することが可能となる。個人による植物の観察記録などを写真とともにクラス全体で共有、授業に生かすこともできるはずだ。

 児童生徒にとって、1人1台の端末配備が実現するメリットは大きい。これを機会に教育の質を確実に高めてほしい。

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