北斗星(10月28日付)

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 「読書週間」が始まった。今年の標語は「ラストページまで駆け抜けて」。書棚を眺め、ゴールしていない本の多さに気付く。まずはそれらを読もうと思いながら、新たな本と出会いたいとも欲が出る

▼関心ある分野なら手に取りやすいが、たまには未知のジャンルに挑戦したい。そんな際、どう選ぶか。装丁やタイトルのインパクトに引かれることは間々ある。他にも決め手が欲しい

▼この時期、県内の各図書館はそんな手掛かりを提供しようとテーマ展示に力を入れている。ユニークなのが鹿角市立花輪図書館。「本は会話する」と題し、タイトル同士が会話するような図書をセットで紹介する

▼「なぜ泣くの」「泣くほどの恋じゃない」「つまらない男に恋をして」は恋愛小説3作。全く異なるジャンルの組み合わせもある。「ウチの子内定まだなんです」「そのうちなんとかなるだろう」は就職活動関係の指南書と自伝エッセーだ。ふと思い付いた展示だが効果てきめん、よく借りられているという

▼「正しい本の読み方」(講談社現代新書)で社会学者の橋爪大三郎さんは読書の魅力について、いろんな意見や性格を持った著者や登場人物が「頭に住み始める」ことと説く。困難なことなどがあった際、解決や理解の糸口となり助けてくれる

▼何げなく読み始めた本が職業を決めたり人生観を変える契機になったりすることもある。読書の秋、1冊でもいいからしっかり読み切り頭の中の住人を増やすのもいい。

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