社説:新型コロナ再拡大 冬の感染対策を万全に

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 新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。全国の新規感染者が5日からほぼ連日千人を超え、「第3波」の様相を呈している。屋内で過ごすことが多く換気が不十分になりがちな冬は、これまで以上に警戒が必要だ。特にクラスター(感染者集団)を起こさないよう万全の対策をしなければならない。

 国内では10月から新規感染者が増加。青森県、宮城県など東北でも過去最多が更新された。昨日は大阪府で250人を超え、東京都で300人を超えた。

 世界の感染者は5千万人を超え、死者の増加ペースも加速している。特に欧州での再流行が深刻だ。

 こうした状況を受け、政府の新型コロナ対策分科会は「適切な対策を取らないと、急速な感染拡大に至る可能性がある」と警告。冬の感染防止策の指針作成、集団の特徴に応じたクラスター対応、空港の検疫所と自治体の連携強化などを緊急提言した。患者急増による医療崩壊を招かないため、政府は提言内容の実行を急ぐべきだ。

 特に再拡大の傾向が顕著なのは北海道。10月からクラスターが多発、今月5日から連続で100人を超え、9日には過去最多の200人に達した。要因として観光支援事業「Go To トラベル」による往来の活発化と、気温低下に伴う換気の不十分を指摘する声がある。

 赤羽一嘉国土交通相は鈴木直道北海道知事から「感染拡大はGoTo起因ではない」との話があったと説明、トラベル事業の対象から直ちに北海道を外す状況にはないとした。ただ、感染経路が不明なケースも増えている。拡大に歯止めがかからない場合は除外を決断すべきだ。

 換気は寒冷地の本県にも重要な課題。冬は空気が乾燥し、口や鼻から出る飛沫(ひまつ)が水分の蒸発で軽くなり空気中を長く漂いやすくなる。加湿器で湿度を上げるとともに、厚着してこまめに換気することを心掛けたい。まず無人の部屋や廊下に外気を入れ、人のいる部屋と換気する2段階の方法もある。

 今後、インフルエンザとの同時流行も懸念される。県内ではこれに備え、110の医療機関が新型コロナ検査に協力。発熱があるなど感染が疑われる患者が身近な機関で検査を受けられる体制を、県が整える。

 冬は冷水を敬遠して手洗いがおろそかになる恐れもある。対人距離の確保、手指の消毒、密閉空間をつくらないなども合わせ、改めてコロナ予防の生活習慣徹底を図りたい。

 新型コロナのワクチン接種に関する予防接種法改正案が審議入りした。だが、開発中のワクチンの効果はまだ未知数だ。

 国民一人一人が気を引き締めても感染防止には限界がある。菅義偉首相は「これまでの経験を踏まえた対策を先手、先手で講じる」と表明した。政府は感染の封じ込めへ、迅速に可能な限りの手を尽くすべきだ。

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