社説:リモートワーク 本県移住へ支援充実を

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 首都圏などの企業を対象に実施した県のアンケートで、本県への「リモートワーク移住」に一定の関心があることが分かった。リモートワーク移住は、大都市の社員らが仕事を続けながら、本県のような地方で暮らす新しい働き方だ。

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、移住対策の当面のターゲットが明確になった。一人でも多くの移住が実現するよう県は全力を尽くしてほしい。

 在宅や遠隔地で仕事をするリモートワークはコロナ禍により首都圏などで拡大。こうした動きを受け、リモートワーク移住が注目されるようになった。

 アンケートは先月、東証上場企業や誘致企業の本社など3962社を対象に実施。回答したのは559社で、回答率は14・1%だった。回答率について県は、自治体による大規模な企業アンケートでは、おおよそ1割といわれていることから「想定を上回った」としている。

 リモートワーク移住については63社が「可能性がある」と答え、回答企業の約1割を占めた。また4割を超す企業が、メリットとして「社員のワークライフバランスの向上」や「通勤コストなどの削減」を挙げた。

 リモートワーク導入済みは7割超の415社。今後も「新しい働き方として拡大したい」と答えたのは4割近い202社に上った。

 こうした回答から見えてくるのは、リモートワークが多様な働き方の一つとして広がる可能性があるということだ。リモートワーク移住のメリットとしては仕事と生活の調和が重視されており、本県はこの点で強くアピールできるはずだ。

 本県に移住すれば、首都圏のような人口過密な環境での生活を避けることができる上、比較的低いコストで住環境を確保し、豊かな自然での余暇や食なども楽しめる。秋田ならではの魅力をしっかりとPRすることが肝要だ。

 ただし、導入に際しては課題もある。アンケートでは、約半数がそれぞれ「人事制度」や「労務管理」などを挙げた。例えば、地方に暮らす社員の仕事ぶりをどう把握し評価するのか、勤務時間の管理はどうするのか、といった問題は避けて通れない。県はこうした個々の事情を考慮し、企業とともに解決策を探ることが必要だ。

 県は現在、63社への聞き取りを進めており、年明けにも支援策をまとめる方針。アンケートでは「本社出社時の交通費補助」「レンタルオフィス利用への補助」「移住体験の実施」など企業側の希望についても尋ねた。これらの回答結果などを基に、本当に地方で暮らしたい人たちの決断を後押しできる支援策を打ち出してもらいたい。

 本県の人口減対策は待ったなしだ。県、移住者を受け入れる市町村は役割分担を明確にしながら、しっかりと連携して取り組まなければならない。

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