今の時代だからこそ見て 映画「滑走路」の浅香航大

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 歌人、萩原慎一郎の遺作となった話題の歌集を基に脚本化した映画「滑走路」の初日舞台あいさつが東京都内で開かれ、俳優の水川あさみ、浅香航大、大庭功睦監督らが登場。浅香は「今の時代だからこそ多くの人に見ていただきたい映画です」とアピールした。

 今作は、理想と現実の間で苦しむ若手官僚(浅香)と、切り絵作家としての将来と夫との不和に悩む妻(水川)、いじめの標的となった中学生(寄川歌太)による群像劇。3人のエピソードはやがて交錯し、現代社会で不安や葛藤を抱えながら生きる人々の姿を丹念に描いている。

 浅香にとって今回の演技は、この映画がテーマにしている若い世代の社会不安と向き合う作業だったといい、「自分の小ささを痛感した」と振り返った。それでも「監督の繊細で緻密な演出によって、俳優が同じ方向を向いていた。純度の高さを感じた」と、作品の出来に自信をのぞかせた。

 重いテーマの作品は時として、見る人々が持つネガティブな記憶を呼び起こすが、同時に共感も生む。

 水川は「だけど生きていくことは、人を傷つけ、自分も傷つくこと」と作品の狙いを話した。その上で「(役者自身も)傷つく覚悟で作品をつくっています」とも語った。最後は「ちょっとでも心に寄り添え、勇気づけられる作品になっていたらいいな」と笑顔で締めくくった。