社説:来季のBB秋田 観客増で経営拡充図れ

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 サッカーJ3のブラウブリッツ秋田(BB秋田)が3年ぶり2度目の優勝を果たし、J2昇格を決めた。リーグ戦6試合を残しての優勝はこれまでのJ3で最短。無敗で頂点に立つという圧倒的な勝ちっぷりだった。悲願を達成した選手、首脳陣をはじめ、クラブ関係者に敬意を表したい。

 今季就任した吉田謙監督の下、従来からの粘り強い守りに縦に速い攻撃が加わり「堅守速攻」のスタイルがチームに浸透した。J3全18チームで得点は最多、失点は最少。バランスの取れた攻守が今季の成績につながった。どのチームが相手でも走り勝ち、どの試合も大事に戦い抜いたという印象が強い。

 J2はJ3よりも試合のレベルが上がり、注目度が高まる。来県する相手サポーターが飲食費、宿泊費、土産代などで支出を増やし、お祭りや周辺観光地へ繰り出すケースも多くなる。新型コロナウイルス対策を講じながらでも、経済波及効果はこれまで以上に期待できる。

 1999年からJリーグに参戦したモンテディオ山形は現在J2で7位。J1に昇格したこともある格上のチームだが、来季は秋田と山形の隣県対決も注目を集めるだろう。

 J2で戦うには今の戦力をアップしなくてはいけない。選手の人件費を引き上げる必要があり、クラブの経営の拡充は不可欠だ。多くのクラブはスポンサー収入、入場料収入、リーグからの配分金の三つを柱としている。Jリーグによると、2019年のJ2クラブ平均の営業収益は約16億5千万円で、秋田は約4億6千万円。約12億円の開きがある。来季は収入をいかに伸ばすのかクラブの手腕が問われる。

 まずは観客をどれだけ動員できるかだ。観客が入らないようではスポンサー収入も増えない。凱旋(がいせん)試合となった22日の試合には2063人が来場した。今年2番目に多かったが、昨季のJ2では新潟の1試合当たりの平均入場者数は1万4千人を超え、ほとんどのクラブが5千人を超えている。県民に愛されるクラブとして、入場者数アップにつなげてほしい。秋田にサッカー文化を根付かせていく上で大事な1年となる。

 本拠地となる新スタジアム整備も懸案だ。J2で安定した成績を続ければ県民の理解も得やすくなる。将来のJ1昇格を願い、日本サッカー界最高峰の試合を間近で見たいとの声もある。日本代表選手が秋田から選ばれる時が来るかもしれない。

 今年の第100回天皇杯全日本選手権は新型コロナの影響で大会方式を変更して行われている。秋田はJ3優勝チームとして12月23日の準々決勝から登場。勝てば同27日の準決勝でJ1優勝の川崎と対戦するという夢のような舞台が待っている。日本最強チームにどう挑むのか。全国に秋田をアピールするまたとないチャンスだ。

BB秋田の今季の軌跡を振り返りました

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