【ルポ季節ハタハタ(男鹿)】「まだしばらく来ねえな」 漁師の顔、きょうも晴れず…

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 【男鹿支局長・藤原剣】寒風吹きすさぶ4日午前7時半。事務所兼自宅である秋田魁新報男鹿支局を出発して向かったのは、直線距離で10キロほど離れた秋田県男鹿市の北浦漁港。ハタハタが網にかかっていないか確認を終えて漁船から降りてくる漁師たちの顔はきょうも晴れない。

仕掛けた網にハタハタがかかっているか確認する漁師=4日午前8時、男鹿市北浦


 「全然だめ」。ハタハタは一匹も入っていなかったそうだ。

 北浦漁港から東に700メートルほどの相川漁港に向かうも、同じくハタハタの姿はなし。

 北浦では11月28日から、相川では12月2日から、1カ所ずつ漁師たちが共同で試験的に網を仕掛け、毎朝8時に船を出してチェックしている。

 4日朝は両地区合わせて、サケ5匹とバゴ1匹取れただけ。ハタハタが数匹かかるような、群れの接岸を感じさせる気配もないという。

 強い風が吹き、波はある。「荒れているように見えるんですけどね」と記者がつぶやくと、漁師の一人は「この4倍くらい時化ねえと来ねえ」とはねつけた。「まだしばらく来ねえな」。苦笑いのままたばこの火を消した。

 秋田県民が愛するハタハタは、秋田の「県魚」にも指定されている冬の風物詩。

 その漁法には、沖合の群れを底引き網で取る「沖合ハタハタ漁」と、産卵のために沿岸の藻場に近寄った群れを小型定置網や刺し網で取る「季節ハタハタ漁」がある。

 沖合ハタハタ漁は例年10月中旬ごろから本格化するが、今年は全県的に漁獲高が低調だ。

 例年、11月下旬からハタハタは岸に近づきだすため、季節ハタハタ漁は今まさにこれからが本番。その初漁は県民の関心事であり、秋田魁新報は毎年、沿岸部にある男鹿支局と能代支局、本荘支局にかほ市駐在の記者が港の様子を注意深くウオッチするのが大きな任務となっている。
 
 県水産振興センターは、季節ハタハタ漁の初漁を12月3日前後と予想していたが、今のところその気配はない。

 静まりかえる港に活気が訪れるのはいつになるのか。

         ◇        ◇       ◇

 秋田の食卓に冬の訪れを告げるハタハタ。漁師が、市民が、そして記者が待ちわびる初漁までの港町の様子を、現地からリポートする。