社説:新品種サキホコレ 知名度向上へ全力注げ

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 県新品種米「秋系821」の名称が「サキホコレ」に決まり、県はサンプル米を消費者に提供するなど周知キャンペーンを県内外で展開中だ。多くのブランド米が競合する全国市場で確実に存在感を示せるよう、まずは知名度の向上に全力を挙げなければならない。

 サキホコレはコシヒカリをしのぐ良食味米を目指し、県が2014年度から開発。高級ブランド米として22年度に市場デビューする。名称は公募により県内外から寄せられた25万件超の中から6案に絞り込まれ、最終的に佐竹敬久知事が選定した。「響きが良い」「明るい未来を感じさせる」といった点が選定理由とされる。

 単にコメの名称であるだけでなく、生産者や消費者に対して「咲き誇れ」と励ましを送るようにも受け取れる。親しみやすく、記憶に残りやすい名称と言えるのではないか。

 現在展開中のキャンペーンは重点販売エリアと位置付ける県内と首都圏を主なターゲットとし、今月下旬まで行われる予定。県内外80カ所超の米穀店やスーパーでサンプル米を配布したり、25カ所のホテルや旅館でご飯を提供したりする。

 県によると、今月のキャンペーン終了後もサンプル米は残るという。それを可能な限り活用してPR活動を続け、デビューへの準備を万全に進めたい。市場での期待感がデビュー時にピークになるよう、消費者への切れ目ない働き掛けが不可欠だ。

 サキホコレの最大のアピールポイントはふっくらとした食感、強い甘味と粘りなどだ。実際に食べてもらうのが最も有効なPR方法だろう。

 ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの人が集まる場所での試食イベントは開きにくいのが現状だ。制約はあるが、できるだけ多くの人に味わってもらうことを最優先に、サンプル米配布や宿泊施設などでのご飯提供に一層力を注いでほしい。

 県は、鹿角市で来年2月に開かれる冬季国体で選手らにご飯を提供することなどを検討中だ。一般消費者向けにも最大限、提供の場を設けるべきだろう。

 ロゴマークや米袋のデザイン、キャッチコピーの選定も着実に進めたい。県は年度内に複数企業から提案を募るコンペを実施する方針。米どころ秋田をイメージさせ、消費者が思わず手に取りたくなるようなデザイン、コピーを期待したい。

 食味の良さに加え、生産者についても情報発信することが大切だ。サキホコレは一定の出荷基準を定めて高品質を保つ。生産者は高い栽培技術が認められて選ばれた農家だ。

 日々努力する農家の姿を知ってもらえれば、サキホコレの魅力は一層増すだろう。会員制交流サイト(SNS)などを活用して農家の声、映像などを効果的に発信し、消費者の関心を高めるべきだ。

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