北斗星(12月9日付)

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 コロナ禍でめっきり縁遠くなったが、海外旅行はできれば円高の時に出掛けたい。旅先で現地の通貨と交換し、恩恵に預かることで初めてその価値を実感する。旅の高揚感も手伝い、財布のひもは自然と緩みがちになる

▼現金700円で千円分のサービスを受けられる県のプレミアム飲食券事業は、円高基調での買い物促進と似てなくもない。コロナ禍の経済対策として千円当たり300円を県が助成している

▼ところが振り込み手続きにミスがあり、1631店に対して計8896万円分が期日に送金されなかった。飲食店を支援して県内の経済を回していこうというのが事業の狙いだが、こんなことでは回るものも回らない

▼県から事業を委託された大手旅行代理店が11月1~10日の電子飲食券の利用分を今月1日に各店へ振り込む際、秋田市が実施している別の飲食店支援事業のデータを金融機関に誤送信したのが原因だという。何ともお粗末だ

▼各店への振り込みは1日遅れで完了した。遅れが最小限で済んだのは不幸中の幸いだが、日々の仕入れや家賃、光熱費などの支払いに追われる店も多いはずだ。単純なミスではあっても、罪深いことには変わりない

▼コロナ禍にあえぐ店の売り上げに少しでも貢献したいと考える人がいる一方で、感染予防のためになるべく外食を控え、事業を利用していないという人もいるだろう。平時であればおよそ考えられない施策だ。原資は税金。ミスは今回限りにしてほしい。

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