社説:県産品の販売促進 首都圏でPR粘り強く

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 人口減少が進む中で県産品の販路を拡大するには地元だけでなく、大消費地である首都圏などでファンを増やすことが重要なポイントになる。そのためには、商品の魅力を知ってもらう機会を増やす努力を地道に重ねることが大切だ。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、旅行を自粛する傾向が強まった今夏、都内にある各県のアンテナショップに多くの人が訪れた。地方から業者が出向いて対面販売する活動は難しい状況が続いているが、地方の食などへの需要は大きいことがうかがえる。感染状況を慎重に見極めながら、粘り強く販売活動を展開していきたい。

 近年、首都圏への売り込みに力を入れている県内自治体に由利本荘市が挙げられる。特産品のブランド化や流通拡大を目指し、2015年に官民による組織「まるごと売り込み検討委員会」を発足させた。17年にはこれを推進協議会に発展させ、本格的に活動を開始した。加盟事業者は現在、47を数える。

 活動分野ごとに部会を組織しており、その一つに「首都圏等売り込み部会」がある。意欲があって戦略を練っていても、一業者が地元から外に打って出るのは容易ではない。同部会はこれまで、そうした業者を集めて首都圏に出向き、スーパーマーケットなどで消費者に直接、商品を売り込む販売会を実施。併せて首都圏のバイヤーを地元に招く商談会も開催し、販路拡大の方策を探ってきた。

 コロナ禍の今年は販売会を開けなかったが、秋には商談会を開催。参加者一人一人にフェースシールドとマスクをセットで着用してもらうなど感染対策を徹底し、実現にこぎ着けた。リンゴやそばなど一部商品については現在、業者とバイヤーとの間で商談が進んでいるという。大きな一歩と言える。

 本県産の商品は品質が優れているとの定評がある一方、宣伝がいまひとつと以前から指摘されてきた。それだけに商談会は、売り方を見直す好機だ。消費者の関心を引くためにはどんなパッケージがいいか知恵を絞るなど、新たな販売促進策に結び付けてほしい。

 自治体の枠を超え、広域で取り組んでいる例もある。秋田、男鹿、潟上の3市はその一例。昨年、地元JAと共に地域の特産品を合同で売り込むための協議会を発足させた。首都圏をはじめ県内外での販売展開を目的にしており、加盟事業者は180超に上っている。

 今年は東京や仙台市で、現地業者に業務委託する形で産直市を実現させた。来年は地元にバイヤーを招く商談会の開催も予定している。

 首都圏への売り込みで成果を挙げることは、地域全体を活気づけることにつながる。インターネットや会員制交流サイト(SNS)による発信も含めてPRに工夫を凝らし、活路を見いだしたい。

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