乗り鉄日和~カンパネルラ、カルボナード、そして秘境駅 三陸鉄道編(5)【動画】

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11月10日午後1時6分、筆者が乗っていた列車が田野畑駅に到着した。今回の旅では、この田野畑を含めてあと三つの駅に立ち寄る予定を組んでいた。

「カンパネルラ」という愛称が付けられている三陸鉄道田野畑駅。壁面には桜の花びらが描かれている=11月10日午後1時8分ごろ


田野畑駅には気になることがいくつもあった。まず、「カンパネルラ田野畑駅」という愛称。「カンパネルラ」とは、岩手県出身の作家・宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」の登場人物(作中の表記は「カムパネルラ」)から取られたという。

三陸鉄道リアス線の各駅には、「琥珀いろ」(久慈駅)、「リアスの港」(宮古駅)、「片寄波のサーフサイド」(浪板海岸駅)といった愛称が付けられている。1984年の三陸鉄道開業に合わせて始めたもので、当時は複数の候補の中から、沿線自治体と相談してそれぞれの駅の愛称を決めていったという。中には、岩手県出身の作家・宮沢賢治の作品にちなんだ愛称を全ての駅に付けようという案もあったという。

島越駅周辺を散策中に見つけた案内看板=午後1時39分ごろ


田野畑村の関係者は、この宮沢賢治にちなんだ駅の愛称、特に強い正義感の持ち主として描かれている「カンパネルラ」を大いに気に入ったという。同村内の田野畑駅の隣にある「島越(しまのこし)駅」の愛称も、賢治の作品にちなんだ「カルボナード」が選ばれた。

田野畑駅周辺を散策中、両方の駅の愛称が入った案内看板を見掛けた。まるで自身が賢治の世界に迷い込んだかのような不思議な気分が味わえた。

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