社説:県政この1年 コロナ禍の対応焦点に

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 2020年は新型コロナウイルスの感染が県内外で広がり、危機対応が県政の最大の課題となった。県民の生命を守り、打撃を受けた県経済を支えるため、佐竹敬久知事のリーダーシップが問われた一年だった。

 感染拡大を防ぐには何より県民一人一人の協力が不可欠だった。県は4月、政府が全都道府県に緊急事態宣言を出したのを受け▽県外からの移動の自粛▽不要不急の外出自粛―などを求める緊急事態措置をまとめ、協力を呼び掛けた。パチンコ店や映画館など約7千事業所に約2週間の休業も要請。事業者に30万円の協力金を支給した。

 当時、人の往来が盛んになる大型連休を目前にしており、対策は不可欠だった。協力金も事業者の経営への打撃を緩和し、対策の効果を上げるために必要だったと言える。

 宣言解除後も首都圏で感染が広がった7月、帰省シーズン前の8月を含め、佐竹知事は随時、感染拡大地域との往来を極力控えるよう求めた。本県の感染者数が全国でも一貫して低位を保ってきたのは、呼び掛けへの県民の協力によるものだろう。

 感染者数が今、県内で急増していることを重く受け止めたい。今月29日までの1週間で職場でのクラスター(感染者集団)発生などにより40人近い新規感染が判明。感染者の累計は132人となった。県は年末年始の対応として、首都圏などとの往来をできるだけ避け、日常的に接していない人との集まりや飲食を控えることなどを求めている。感染を食い止めるためには、ここが踏ん張りどころだ。

 コロナの影響は県内の製造業、飲食業、観光業など広範に及んだ。県は制度融資(経営安定資金)の融資限度額を増やして資金調達を支援したり、飲食や宿泊の費用が割引になるプレミアム券を発行して消費喚起を図ったりしている。一定の効果はあるが、十分とは言えない。

 特に飲食業界は年末年始の忘・新年会の需要が激減し、悲鳴を上げている。プレミアム飲食券は発行枚数(491万枚)の9割近くを販売し、完売は近い。今後の追加の支援策を真剣に考えるべきである。状況に応じた切れ目のない対策が必要だ。

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を秋田市の陸上自衛隊新屋演習場に配備する計画は防衛省が6月、撤回を表明。迎撃ミサイルから切り離される推進装置を、確実に安全な場所に落とすことができないという理由だった。

 そもそも演習場は住宅地に隣接し、適地でないことは明白だった。佐竹知事も県議会も最終的に配備反対を表明したが、遅過ぎた。安全を最優先に考えれば当初から答えは見えていたはずだ。計画撤回は住民の地道な反対運動が実を結んだものだ。

 来年は知事選の年。コロナ対策はもちろん、コロナ後を見据えた本県の未来像を示さなければならない。

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