社説:今年の国政 コロナ急増、歯止め急げ

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 今年は10月までに衆院選が行われる。衆院選の日程を左右するのは、新型コロナウイルス感染拡大の行方だ。昨年末から感染者が急増しており、それに歯止めをかけることが、政治の最優先課題であることを与野党共に忘れてはならない。

 新型コロナはいまだ収束が見通せない。昨年12月31日は1日当たりの新規感染者が東京都で1337人、全国で4515人と急増した。きのうの時点で全国の感染者は累計で約24万人、死者は3500人を超えた。感染力が強いとされる変異種ウイルスの広がりも懸念される。

 医療が逼迫(ひっぱく)する事態に危機感を強めた東京都など首都圏の4都県知事は、緊急事態宣言の発令を政府に要請した。政府は宣言発令の是非の検討を急ぎ、自治体と連携して感染拡大を食い止めなければならない。

 衆院議員の任期満了は10月21日。菅義偉首相の自民党総裁任期は9月30日までで、総裁選での再選と衆院選での与党勝利が政権維持には不可欠だ。一方、野党は政権交代を目指せるだけの存在感の発揮、野党間の共闘実現が課題となる。

 菅首相自身は衆院の解散・総選挙について「感染拡大防止が完全にできていないと、やるべきではない」と述べ、当面は感染防止対策に注力する考えを示している。感染拡大が収まらない中で、解散・総選挙による政治空白が生じるのを避けるのは当然だ。

 菅政権はこれまで観光支援事業「Go To トラベル」に見られるように経済優先の姿勢が目立ち、感染拡大防止策が後手に回ったのは否めない。世論調査で内閣支持率が急落したのも、そのためとみられる。

 通常国会は18日召集される。政府は、感染拡大地域での飲食店の休業や営業時間短縮の要請に実効性を持たせることを目指し、新型コロナ特別措置法の改正を図る。要請に従わない業者に対する罰則導入も検討しており、私権制限の恐れもあることから慎重な審議が必要だ。

 衆院解散の時期は2021年度予算成立後の4月、通常国会会期末の6月、パラリンピック後の9月などが考えられる。菅首相は任期満了の選挙も含め、コロナ対策を最優先して日程を検討しなければならない。

 衆院選は、安倍晋三前首相の「桜を見る会」夕食会問題や、吉川貴盛元農相の現金受領疑惑への対応も論点になると見られる。菅首相就任後の日本学術会議の会員任命拒否問題を巡って、菅首相は理由の説明を拒み続けている。国民への説明責任を果たすべきだ。

 野党の真価も問われる。野党第一党の立憲民主党は旧立民と旧国民民主党が合流。衆参合わせて約150人の勢力となったが、政党支持率は伸び悩む。有権者が政権選択できるよう明確な政策ビジョンを示し、与党を利しないために野党間の協力を打ち立てることが求められる。

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