寒い…高齢者、施設で不安な夜 毛布や石油ストーブで暖取る

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 「寒い」

 停電が続いていた秋田市土崎港の「ショートステイだんだん」で、利用者から声が上がった。80代が多く、最高齢は百歳。「不安な気持ちから体調を壊す人もいる」。看護係長の小山勝彦さん(56)が話す。

ショートステイが停電し、石油ストーブの前で暖を取る利用者=8日午前11時20分ごろ、秋田市土崎港


 7日夜、利用者が寝る準備をしている時に電気が止まった。暖房のない夜。夜勤の職員は利用者たちに布団や毛布を配り、カーディガンを羽織るよう声を掛けて回った。

 廊下も足元の小さな電灯だけ。夜中、トイレに行きたい利用者には職員が懐中電灯を持って付き添った。

 8日朝になっても電気はこなかった。

 職員が携帯電話で電力会社に何度か電話したが、つながらない。復旧の見込みが立たないため、佐藤和子施設長は急きょ、石油ストーブをレンタル業者から6台借り、廊下やホールに置いた。

 利用者の中には、自力で痰(たん)を出せないため吸引が必要な人もいる。電動式の吸引器が使えなくなったため、職員が手動式の器具で対応した。寝たきりの利用者が使う床ずれ防止の電動エアマットレスも動かない。職員は、利用者の体位を変える作業を繰り返した。

 利用者の堀ヱチさん(87)は「朝になっても停電したままだったので、驚いた」と話す。普段は2階のホールに利用者が集まって食事やレクリエーションを楽しむが、エレベーターが動かないため1階のデイルームで朝食を取った。

 8日午後3時18分、電気が通った。拍手と歓声。「良かった」と涙を浮かべる利用者の姿もあった。「不安だったんでしょう」。佐藤施設長が言った。

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