家がつぶれる不安…陸自雪下ろし作業、住民ようやく安堵

お気に入りに登録

 秋田県から災害派遣要請のあった陸上自衛隊秋田駐屯地の隊員は8日も、記録的大雪に見舞われている横手市や羽後町などで倒壊の恐れがある民家の雪下ろし作業に当たった。屋根にうずたかく積もる雪に、住民たちは家がつぶれてしまわないかと不安な日々を過ごしていたと明かした。

 雪が降りしきる横手市大沢地区。隊員約20人が朝から伊藤留美子さん(73)宅周辺の雪をスノーダンプで運び、屋根の雪をスコップで落とした。伊藤さんは作業を見詰め「すごい雪。こんなの初めてですね」とつぶやいた。

 障害のある次女万理子さん(46)と2人暮らし。自宅は築年数が古い木造住宅で、年末から降り続いた雪の重みで台所やトイレの扉が開かなくなったり、屋根の一部がゆがんだりした。雪で埋まった1階部分は日の光が入らず、玄関を開けると雪がなだれ込むこともあった。

雪下ろし作業を見詰める伊藤さん(左)。家の1階部分は雪で埋まっている=横手市大沢地区


 「雪の中に閉じ込められている感じ。雪の重みで家が倒れ、すとんと下敷きになって死んじゃうんじゃないかという怖さがあった。自衛隊が来てくれてありがたい。ほっとした」

 2年前に夫が亡くなり、雪寄せや屋根の雪下ろしは伊藤さんの役目になった。「娘が作業所に行くので歩けないと困るから一生懸命やるんだけど、やってもやっても降りっぱなしで腰を痛めた。これからも雪が降ることを考えると不安もあります」

 羽後町中心部から車で約20分の仙道地区。佐藤茂雄さん(83)と厚子さん(79)夫婦が暮らす民家の玄関先は、人の背丈より高い雪の壁に挟まれていた。

 屋根にも大量の雪が降り積もっている。「いつもなら屋根の雪は滑って落ちるけど、今年はどういうわけか全然滑らない。2人とも、とても上がることはできなくて…」と厚子さん。

引き戸が開けにくかったと話す厚子さん=羽後町仙道地区


 居間にある障子の引き戸は、屋根に積もった雪の重みで開けにくくなっていた。厚子さんは「『また積もった、また積もった』と屋根を見ているだけだった」と明かす。

 隊員による雪下ろし後、引き戸は簡単に開くようになった。「つぶれたらそれまでと思っていたので、良かったです」と安堵(あんど)の表情を見せた。

 横手市と湯沢市、羽後町ではこの日、隊員計約200人が29軒の雪下ろしを終えた。3市町によると、倒壊する可能性のある1人暮らしの高齢者宅などが対象になっている。

 陸自秋田駐屯地の大高茂徳広報室長(54)は「屋根の雪はぬれ雪が重なって圧縮され、硬く重くなっている。いち早く安心して生活してもらえるよう力を尽くしたい」と話した。

秋田の最新ニュース