社説:緊急事態宣言拡大 危機感共有図る説明を

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 政府は新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象地域に京都、大阪、兵庫など計7府県を追加する方針を固めた。きょう13日に正式決定する。

 政府は、対象地域のさらなる拡大や感染抑制対策の強化、影響を被る事業者への支援策の拡充などの検討を急ぐべきだ。対応が後手に回り、対策を小出しにする政府の姿勢に国民の不信は高まっている。国民の理解と協力を得て宣言の実効性を高めなくてはならない。

 発令の対象となるのは関西3府県と栃木、岐阜、愛知、福岡の4県。東京と埼玉、千葉、神奈川の首都圏4都県に続く発令で、対象地域は計11都府県になる。

 大阪府の新規感染者数は昨年11月下旬から12月上旬が一つのピークだった。飲食店に時間短縮営業を要請するなどした結果、年末にかけて減少傾向を見せた。

 ところが年明け後、再び増加に転じ、1月6日に1日当たりの新規感染者が560人と過去最多を更新するなどした。連動するように京都、兵庫でも過去最多更新の日が相次いだ。大阪では重症者用の病床使用率が7割を超え、医療体制が逼迫(ひっぱく)。3府県は危機感を募らせていた。

 菅義偉首相は10日、専門家の意見も踏まえて「もう数日、状況を見る」としていた。時間をあまり費やさずに決断したのは、3府県と危機感を共有する姿勢として評価できる。問題は対象地域や期間、感染防止対策の内容がこれで十分かどうかだ。

 今回の緊急事態宣言では、コロナ感染の急所とされる飲食店での会食を減らす対策が柱。飲食店に午後8時までの時短営業を要請するほか、不要不急の外出自粛などを呼び掛ける。

 テレワークの促進などにより、出勤者数の7割削減も目指している。時短営業やテレワークなどを巡り、どうやって事業者の協力を取り付けていくのか。目標達成が困難なら代替策はどうするのか。待ったなしの問題が山積している。

 共同通信社の最新の世論調査によると、菅内閣の支持率は41・3%。一方、不支持率は42・8%とわずかに上回った。その背景には菅内閣のコロナ対応への不満があるとみられる。

 それは1都3県への緊急事態宣言発令が「遅過ぎた」との回答が約8割、コロナ対応を「評価しない」が7割近くだったことからうかがえる。対象地域についても「他の都市圏も含めるべき」「全国を対象にするべき」が合わせて77%だった。

 今は国民が一致協力して感染を減少に転じさせることが何よりも重要だ。政府はそのために国民に科学的な知見に基づく適切で分かりやすい情報を提供し、危機感を共有してもらわなければならない。しかし政府は失敗していると言わざるを得ない。感染抑制対策を見直すだけでなく、国民への説明の仕方を改善することを求めたい。

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