「もう、おっかねくて…」 横手市、空き家の雪相談相次ぐ

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 「空き家の屋根から雪が落ちそうだ」「倒壊するのではないか」―。記録的な大雪に見舞われた横手市では、市民が空き家の屋根に降り積もった雪に不安を募らせている。市は相次ぐ相談を受けて空き家の所有者を探し当て、適切な管理を求めている。

90歳の女性が住む家(右)には、隣の空き家の屋根に積もった雪が差し掛かっている=横手市南町


 「もう、おっかねくて。家にかぶさってくるんじゃないかって」。同市南町の一軒家に夫(95)と2人で暮らす女性(90)が、不安そうに話した。

 両隣は空き家で、片方の家は雪下ろしがされないまま。屋根の雪庇(せっぴ)が女性宅に差し掛かっている状態だ。隣の空き家から落雪がないか心配だが、「人の家だから、どうにもできないもんな」と対応に困っている。

 市の実態調査によると、横手市の空き家は昨年9月現在で1807軒。このうち28軒は「老朽危険空き家」として周辺に被害を及ぼす恐れがある。

 市民の困り事を聞き取る市くらしの相談係によると、空き家に関する相談は市内が大雪となった昨年12月中旬から増え、ピークの今月12日には30件ほどが寄せられた。高齢者や障害者からの相談が多く、実際に空き家から落ちた雪でガラスが割れたり、道路がふさがったりしていた例もあった。

一部が倒壊した横手市安田の空き家(右)


 同市安田の70代男性は12日、雪の積もった隣の空き家が倒壊したと市に連絡。市は13日、県外にいる空き家の所有者に対し、空き家を適切に管理するよう注意喚起する通知を送った。

 男性によると、6日に空き家が一部倒壊しているのを発見。自宅と接しない側が崩れていた。どうしたらいいか分からずにおり、近所の人に促されて市に相談したという。

 相談後も空き家に雪は積もったままで、「いつこっちに倒れてくるか」と男性の不安は消えない。「何かかなうなら、雪が全部解ければいい」と話した。

 市や消防は、空き家の倒壊や損壊が起きた場合に、さらなる被害を防止するための措置を取る。しかし、個人財産である空き家の雪下ろしをすることはできず、所有者に業者や知り合いに依頼するなどして対応するよう注意喚起するしかない。

 現在は市が、相談があった空き家の状況を順次確認し、所有者の特定を進めている。通知を受けた所有者が速やかに親戚や業者へ雪下ろしを依頼するケースもある。だが、探し当てるのには時間がかかり、連絡が取れても所有者がすぐには対応できない場合もある。

 くらしの相談係の月沢毅係長は、住民自身が取れる対策として、空き家から離れた場所で寝ることや異音がした場合に避難することなどを挙げ「空き家かどうかにかかわらず、雪が積もっている屋根の下には近づかないよう気を付けてほしい」と呼び掛けた。

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