北斗星(1月22日付)

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 「桃栗三年柿八年」。それぞれの芽生えから実を結ぶまでの年数を表す言葉だ。これに他のなり物と年数が続くこともあり、「梨の大馬鹿十八年」を聞いたことがある

▼地域によっては梅や枇杷(びわ)などが登場する。その一つ「柚子(ゆず)は九年で花が咲く」は時代小説「柚子の花咲く」(葉室麟・著)で知った。桃栗柿は実のなるまでの年数が大体合っているそうだが、梨や柚子などは実際にはもう少し早く実るらしい

▼柚子には本県のような雪国にあまり縁のない果樹というイメージがあった。ところが昨秋、近所の庭の木に立派な柚子が実っているのを見つけた。同僚からは沿岸南部の実家の庭に数十個もの実がなったと教えられて驚いた

▼先月中旬以降、県内を繰り返して寒波が襲い、各地に大雪や暴風による大きな被害を残した。寒さは昨日あたりで小休止したようだが、まだ大寒を過ぎたばかり。このまま春が来るとも思われない

▼かつて地球温暖化で雪国の本県でミカンが育つようになればなぁと夢想した。しかしそんなに都合よくはいかない。たとえ雪の総量は減っても地域によっては災害級のドカ雪が増える恐れがあるという研究もある

▼柚子はカラタチに接ぎ木するそうだ。アゲハチョウが集まる知人宅の生け垣は寒さに強いカラタチ。本県で柚子が実る謎が解けた。春が到来したら植えてみようか。寒波にコロナ禍…、何かと我慢のこの頃。冒頭のことわざ「桃栗―」は「辛抱強くあれ」という教えでもある。

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